最近のイラン情勢はどうか。イランで撃墜された米軍F15戦闘機の乗員を救出するため、2026年4月5日、トランプ大統領は大規模な電撃救出作戦を成功させたと発表した。この救出作戦は、元作戦の失敗からの瓢箪から駒かもしれないが、アメリカ人好みのハリウッド映画さながらだ。賭け市場も見事に出し抜いたトランプ大統領この救出成功を受け、トランプ氏はホルムズ海峡の封鎖解除をイランに迫り、7日の交渉期限に応じなければ軍事攻撃を示唆し、実際交渉期限の3時間前にイランのカーグ島を攻撃した。しかし、その直後、アメリカとイランは2週間の停戦に合意した。そこで、米原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物を確認しておこう。4月6日、1バレル5月物107ドル、7月物90ドル、11月物75ドル 27年6月物70ドル程度と、一時期低下していた数字が直近限月を中心として急騰していたが、7日のカーグ島の攻撃で、5月ものは116ドル台にさらに上昇した。しかし、それでも、先行きは戻ると原油先物市場のデータは示している。案の定、2週間の停戦合意を受けて、5月物95ドル、7月物82ドル、11月物71ドル、27年6月物68ドル程度と急落した。今回のイラン紛争の出口として、(1)5月14、15日の米中首脳会談、(2)7月4日の250周年のアメリカ独立記念日、(3)11月3日のアメリカ中間選挙が指摘されているが、6日のアメリカの賭け市場では、5月15日までに停戦の確率は40%、6月30日まで60%、12月31日まで75%程度だったが、トランプ大統領は賭け市場も見事に出し抜いた。筆者は、こうした市場データを紹介するだけで、筆者の思いではない。もし市場データと違うのであれば、筆者を批判するよりも市場で儲けてもらいたい。なお、賭け市場は日本からアクセスすると賭博罪に抵触するのでやめてもらいたい。補正予算で補助継続するかは高度な政治判断一方、国内のガソリン価格はどうなるか。これは補助金が出るので、あまり変化はないだろう。7日には本予算が成立したので、当面の補助金は枯渇しない。足りなくなったら、補正予算を計上するかどうかがポイントになる。本来、こうした価格補助は一時的・限定的に扱うのが原則であるが、補助を継続するかどうかは高度な政治判断になるだろう。補正予算で補助金支出が政治的に決まれば、日本国内のガソリン価格は安定したままだろう。補助金なしであれば、そのときの原油市況に左右されるだろう。年内の原油先物市場は比較的安定しており、先行き価格は下がる見込みだ。高市首相は、年内の石油は備蓄分やホルムズ海峡を経由しない様々な代替ルートを含めて十分確保されていると明言している。++高橋洋一プロフィール高橋洋一(たかはしよういち)元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。
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