兵庫県の告発文書問題に関して、地方公務員法(守秘義務)違反容疑が不起訴となった斎藤元彦・兵庫県知事。神戸地検のこの処分を不服とし、告発者の上脇博之・神戸学院大教授が2026年4月14日、検察審査会に申し立てた。
一連の問題を巡っては、捜査当局の主な捜査が終結したばかり。斎藤知事の4月15日の定例記者会見では、関西テレビの記者から知事が情報漏えいの指示をしたか、改めて問われたが、その回答を巡り、知事が「私の認識」と繰り返し、記者と押し問答になる場面もあった。
「私は指示していません」と明言せず「私の認識では」を繰り返す
「私の認識としては、これまで通り申し上げてきた通り、情報を外に出したことへの指示、関与等はしていない」
斎藤知事は、定例記者会見でこのように説明した。質問した記者は、「私の認識」という言葉が会見でわざわざ毎回出てくることに対して、「全く真っ白の冤罪の人、私は泥棒してないっていう人が『お前なんか物取ったのか』って言われた時は、『私は取ってない』と言うのが普通だと思う」と例えた上で、
「潔白であるならば、私は指示はしていませんと、明確に言った方がよろしくないですか」
と問いかけた。
だが、知事は「私の認識として、これまで答えている通り、捜査当局が、十分かつ慎重に捜査等した結果、不起訴という判断になっているということ」と答えた。
記者から、なぜ再度「私の認識」を入れたのかと指摘されると、「ご指摘は真摯に受け止めたいと思う」と、質問に正面から回答しなかった。
さらに記者は、神戸地検の判断が嫌疑不十分で、知事が潔白であれば、この結果は悔しくないのかと質問。知事は「私のことを思っていただいているのは、感謝したいという風に思うが、私としてはこれまでの認識を述べさせていただいている通り、指示等はしてないという認識」と繰り返した。記者は、
「どうして『認識』って言葉を引っつけるのかが、本当に不思議でならない」
とやりとりの印象を述べて質疑が終わった。
批判と向き合う姿勢を巡り「真摯に受け止めたい」ばかり
この会見で知事の言葉遣いが指摘された質疑は、他にもあった。
しんぶん赤旗の記者は、3月に市民団体から斎藤知事宛で県の総務課に提出された辞任を求める一言メッセージカード3126人分を巡り、知事にメッセージカードを読んだかと質問した。
知事に対する抗議活動を巡っては、定例記者会見場外でのデモ活動や、3月に神戸市で約850人(主催者発表)が参加した抗議デモがあった。抗議デモは、過去にも県内各地で複数回開催されている。
斎藤知事は「そういった申し入れがあったことは承知している」とした上で、記者から内容を読んでいるかと聞かれると、「そういった申し入れがあったことは認識している。適宜対応している」と回答。記者は、
「知事に対するメッセージであり、読まないのは極めておかしいのでは」
と切り込むと、「いろんな県政に対するご意見ご要望というものはきている。真摯に受け止めたいと思う」と述べた。
そして、
「知事という立場でありますので、いろんな応援していただける声もあれば、ご批判やご指摘というものは当然ありますし、それは私としては重く受け止めていくことが大事と思う」
とも語った。
記者は「そうであれば、これから読んでいただけるんでしょうか」と問いかけると、「そういった申し入れは重く受け止めたいと思う。それぞれの声をいろんなご意見ご要望があると思うので、そこは真摯に受け止めて県政運営にまい進していきたい」と述べるにとどまり、メッセージカードについての言及を避けた。
記者は、
「県政運営に生かすのであれば、読まないと話にならないですが、なんでそれが言えないのか、県民の声を聞かないと言っているに等しい」
と追及。
知事は「繰り返しになって申し訳ないんですけど」と前置きし、
「さまざまなご意見は真摯に受け止めていくことが大事だと思う。いろんなご要望があったことも承知している。そういった声を受け止めて県政運営に頑張っていきたい」
と述べるにとどまった。
記者は語気を強めながら「肝心のメッセージを知事に『聞いてください、読んでください』と出している人たちの声を読まないと、とんでもないことだと思う。約束しないんですから」とただしたが、「さまざまな要望は真摯に受け止めたいと思う。そういったものの対応は適宜適切に対応していきたいと思うが、大事なのは、さまざまなご指摘やご意見をですね、私自身も知事という立場ですから、しっかり受け止めて、県政運営に頑張っていきたいというふうに思う」と繰り返した。