2026年4月19日、憲法9条改正などに反対するデモが全国各地で行われ、国会議事堂前でも「NOWAR! 憲法変えるな!4・19国会正門前大行動」と題したデモが行われた。主催者の市民団体によると、約3万6000人が憲法改正反対や反戦を訴えた。社民・福島みずほ党首、共産・田村智子委員長らが訴え当日、メインステージでは、まずミュージシャンのババカヲルコさんが登壇。「改憲反対」「戦争したがる首相はいらない」「税金は暮らしに使え」といったコールに合わせ、参加者もともに声を上げた。次に、社民党党首の福島みずほ氏がステージに上がり、「(高市早苗首相は)憲法9条があるから自衛隊をホルムズ海峡に送ることができませんでした。9条が戦争をさせない、平和を守る、自衛隊員の命を守っているのではないでしょうか」と改憲の危険性を訴えた。また、日本共産党委員長の田村智子氏、小池晃参議院議員、吉良よし子参議院議員が登壇し、田村氏は「世論調査で憲法を変えてほしいと望んでいる国民は極めて少数派です」「みなさん、戦争する国づくりを何としても止めましょう」と呼びかけた。国会議員がスピーチするだけではなく、一般公募の発信者が思い思いのメッセージを発したり、憲法の内容を読み上げる時間があったりするなど、いろいろな人たちがさまざまな形で改憲反対を主張した。メインステージだけでなく、国会議事堂周辺では多様なアクションが実施された。バンドの生演奏に合わせてリズミカルにコールをしたり、旗を振ったりするエリアは、メインステージとは異なる熱気を見せた。国会議事堂の裏側でも、打楽器を持った集団が奏でるリズムに合わせたコールが行われ、さながら音楽フェスのような盛り上がりを見せた。親子で参加する人も参加者に話を聞いた。小学校低学年の娘と一緒に参加していた40代女性は「日本が本当に戦争に向かっていってしまっている状況に危機感を持ちました。やはり娘に戦争を経験させたくないので」と語った。介護職の30代男性は「中東情勢の影響で、職場では手袋などの消耗品に『1日に何個までだよ』みたいな使用制限が設けられるようになりました。入荷しようにも簡単ではなく、いつか在庫が切れるのではないかと不安です」と、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃の影響を強く感じていると話した。自営業の50代男性は「政府はアメリカやイスラエルに寄り添った動きを見せていることにとても納得できません」「憲法をアップデートする必要はもしかしたらあるのかもしれませんが、与野党で話し合うことをせずに独断専行で進めているのも、民権に反する動きですよね」と口にした。「コールは苦手」なので...コールなどで声を上げる参加者ばかりではない。国会議事堂に隣接する国会前庭では、椅子やビニールシートを設置して静かに平和を願う人の姿も目立った。参加者に話を聞いた。「高市政権迷惑で不必要」と書かれたボードを脇に置き、ビールを片手に1人で座りながら参加していた会社員の40代男性は「イランに先に攻撃を仕掛けたのはアメリカとイスラエルです。高市首相はこの2つの国に武力行使を止めるように働きかけなければいけない立場なのに、その姿勢が見られていませんよね」と参加理由を説明する。また、この独特な参加の仕方については、「デモってやっぱり怖いイメージがあったんですよね。ただ、Xで今回の自分のようなスタイルで参加している人がいることを見かけ、『楽しみながら参加していいんだ』ということを知って、自分も同じような形で声を上げようと思いました」と語った。「すみっ個で頭数連合東京支部」と書かれたのぼりを持った40代女性は「コールは苦手なんですよね。ただ、デモの参加者の頭数になればと思って。若い人に『こういう参加の仕方もあるんだな』ということが伝われば嬉しいです」と言う。「2月の衆議院選挙ではそんなに憲法の話はしていなかったじゃないですか。なのに、後出しじゃんけんみたいに、改憲を推し進めようとする姿勢に違和感を覚えました」と不満を口にした。また、「ティーパーティー」を楽しむ人たちもいた。シートを広げ、ティーカップに注がれたお茶やお菓子を広げていた20代女性は「『デモが実施されている近くでピクニックをしよう』という取り組みを見かけたので、それでこういった形で参加しました。デモってずっと立ったり叫んだりしているイメージがありますが、こういう関わり方もありなんだなって知りました」と話した。同じく、アフタヌーンティースタンドを設置するなど、お茶を嗜んでいた30代女性は「私はロリータファッションが好きなんですけど、こういった布の多い服装って平和じゃないと着られないじゃないですか。自分の好きなことができなくなるのは嫌なので、今回参加しました」と口にした。音楽やビートに乗せてコールを叫ぶ人がいる一方で、ピクニック感覚でライトに自分の考えを政府にぶつける人も少なくない。デモの多様性は回を重ねるごとに高まっており、参加のハードルは下がっているようだ。(望月悠木)
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