大西洋を航行していたオランダ船籍のクルーズ船・ホンディウス号で、ハンタウイルスの集団感染が発生した。
この集団感染に対する世界保健機関(WHO)の対応について、世界中でさまざまな意見が交錯している。
ヒトからヒトへの感染が確認されたアンデス株
通常、ハンタウイルスはネズミなど齧歯(げっし)類の排泄物を介して感染する。ヒト同士の感染は起きないとされ、感染力はそこまで強くないとされてきた。
しかし、今回船内で検出された「アンデス株」は、患者間の密接な接触によるヒトからヒトへの感染が確認されている特異な変異型だと言われている。
ホンディウス号は4月1日、乗客114人と乗員を乗せてアルゼンチンを出港した。4月6日にひとりの男性が発熱や頭痛を訴え、11日に死亡。当初、男性の死因は自然死と判断された。
ホンディウス号はその後、新たに6人の乗客を乗せ、24日にイギリス領セントヘレナ島に寄港した。ここで死亡した男性の遺体が降ろされ、男性の妻を含む30人が下船した。
しかし、26日になり、下船した男性の妻が離陸前の航空機内で体調を崩した。彼女はそのまま機外へ搬送されたものの、死亡が確認された。
また、同日にホンディウス号内でも体調を崩した乗客が下船し、さらに5月2日には船内でひとりの女性が死亡した。
事態を受け、WHOは船内の患者たちがハンタウイルスに感染していたことを確認したという。