2024年 4月 26日 (金)

突然のテレワークにアナタの会社は大丈夫? 「国の要請」は通用しない 残業代に交通費、情報漏えい......

交通費の支給もあらかじめ「決めておくこと」

●自宅から営業先に出かけた場合、交通費はきちんと払われる?

   自宅から営業先への交通費は、社員への報酬(賃金)ではなく、本来は会社が負担すべき「費用」であるという理解ができます。

   どのような手段でもって出張の証明とするかは、会社によって異なるところですが、あまり厳格な手段を求めることに合理性はありません。会社ごとに事情は違うでしょうが、一般的にはSuicaなどの利用履歴であれば十分と考えられますし、会社もそれ以上を求めて余計な事務手続きを増やしても仕方ないのではないかと思うところです。

   最終的には会社の規定や判断次第ということになりますから、テレワーク導入時に会社と社員とのあいだで取り決めておくことが重要となります。

●現在受けている家賃補助は、そのまま払い続けてもらえる?

   家賃補助がある会社の場合、それも就業規則に定めが置かれています。家賃補助の減額や廃止は、就業規則の「不利益変更」になりますから、従業員の合意のない一方的な変更は労働契約法上認められていません。

   例外的に、変更内容に合理性があり、かつ従業員に対して周知がなされている場合であれば、合意のない変更も可能です。この合理性が認められるかは、「労働者の受ける不利益の程度」や「労働条件の変更の必要性」、「変更後の就業規則の内容の相当性」、「労働組合等との交渉の状況」などの事情を元に判断されることになります。

   テレワークの期間がどれくらい続くのか、会社にとって家賃補助を出さないとすることが会社にとって必要不可欠な変更と言えるのかなどが問題になりますから、社員にとっては家賃補助の廃止を当然に受け入れないといけないというものではない一方、会社としても家賃補助の扱いについては慎重な対応が必要になると考えられます。

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グラディアトル法律事務所
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