2024年 4月 26日 (金)

【襲来!コロナウイルス】急浮上「9月入学・新学期」に戸惑う受験生や教育現場 「安倍政権に明治以来の大改革ができるの?」の声が殺到する理由

高校3年生「自分たちの代だけなぜ混乱続きなの?」

   一方、反対の意見では、制度改正にともなう疑問点を指摘する人が多い。こんな意見に代表される。

「素朴な疑問ですが... 今年9月の小学1年生は今年8月までに生まれた子も入るのですか? そうなると1学年だけ人数が1.5倍になってしまいますが、これまで通りの生まれ月でいくのかな?」
「私もそれが疑問。今年新1年生の子の中で9月~3月生まれの子たちはまた1年間1年生をやらないといけないわけですか? それではおかしいから、学年は今まで通り4月~3月で切って9月始まりにすればいいんじゃない?」
「今、保育園年長のわが子は、来年8月まで保育園児で、9月に入学? しかも1学年下の4月から8月生まれの子も同時に入学? 年中から一気に小学生に? 何がなんだかわからなくなったから、考えるのをやめました」
入学式といえば桜の季節が定番だが......(写真はイメージ)
入学式といえば桜の季節が定番だが......(写真はイメージ)

   確かに、拙速に「9月入学」に移行した場合、「泣く人」もまた非常に多く出てくるだろう。9月入学自体には賛成だが、移行期に泣く人が多数出るため、実際にやるのは困難だという声はわからないでもない。

   また、「欧米並みの制度に」という賛成派に対しては、こういう疑問の声もある。

「このまま延期する形での9月入学が導入されると、欧米並みの9月入学になるのではなく、欧米から1年遅れの9月入学になる。日本では6歳の9月に小学校入学。欧米では5歳の9月に就学開始。日本では19歳の9月に大学入学、欧米では18歳の9月に大学入学。永遠に日本人は欧米から見たら、小学校入学時点で国民全員すでに一浪している状態と同じ。いったい日本の教育はどうなるのでしょう。これでどう世界と戦えと?」

   さらに反対者の多くは、「この混乱のさなかに、さらに混乱を招くつもりか!」「受験生が気の毒だ!」という怒りの声だ。

「半年前に民間試験での大学入試改革でさえできなかった政府に、こんな短期間で明治以来の教育制度を変えられるとはとうてい思えません」
「高校3年生です。いろいろな案を出して下さることはありがたいのですが、残り4か月で舵をきることは現実的ではないと思います。共通テストの記述式の失敗に加え、これ以上の混乱を自分たちの代から始めてほしくありません。この問題は何年もかけて議論した上で実行すべきことだと思います」
「インフルや大雪の時期に入試がないからいいという意見が散見されるが、7月~8月の入試では台風や猛暑の心配もあるわけで、冬の入試と差はないと思います」

   そうでなくてもコロナ対策に追われている教育現場や行政の現場が、さらに大混乱に陥るという声が多かった。

「各地の事務が大混乱するぞ。学校や市町村の教育委員会だけじゃない。児童手当や扶養の問題が絡むから、税務関係の役所もパニックだ。奨学金関係はもう動き出しているから今からシステム変更すると大混乱。学校で必ず行わなければならない検診もずれる。医療現場も今でさえ大変なのにさらに混乱する。職業系の高校に求人を出す企業はもうハローワークに求人票を出す6月に向けての採用計画を立てている。これも変更するのか? 今年はやるべきではない」
「教育現場で働いているものです。自分も基本9月入学・始業は賛成ですが、今年からの開始は無理です。入学式が終えている学校もあり、授業が開始されている学校もある。修学旅行や運動会などの年間行事の再検討、職員の給料や退職金の見直し、全教科の教育計画の見直し、来年3月で雇用期間が切れる職員などなど学校だけでも問題が山積みです。しかもこれらを4、5か月で、コロナと戦いながら、少数出勤の現状の中で検討していかなければならないと思うと...気が遠くなります」

   「入学を半年遅らせると卒業も半年遅れる。すると学生が社会に出て働くのが半年遅れる。それで起きる大きな問題は二つ。

   (1)親が子供を扶養する期間が半年伸びる。親の子育ての負担が大きくなる。これは本質的に大きい。

   (2)労働人口が減る。減らさないためには定年を半年延長するしかない。学校だけでなく企業も含めた大変更になる。その社会的合意を数か月で取り付けることができるのだろうか。いま導入を主張している人たちは、目先の人気取りで、深く考えていないと思う」

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