2024年 4月 26日 (金)

IOCと小池都知事に見放された森会長、辞任にカウントダウン 後任はやっぱりあの人か?(1)

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   日本はもちろん、世界中で沸き起こる「辞めろ」コールにもかかわらず、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長の座に居座り続ける森喜朗氏(83)。2021年2月9日、突然IOC(国際オリンピック委員会)が森会長の女性差別発言を「絶対に不適切!」という極めて激しい言葉で批判する声明を出した。

   5日前までは「この問題は終わった」と表明。擁護していただけに異例の展開だ。IOCという後ろ盾を失った森会長は辞任に追い込まれるのか。

   東京都の小池百合子知事をはじめ、外堀を埋める動きが加速している。

  • 外堀が埋められた森喜朗会長
    外堀が埋められた森喜朗会長
  • 外堀が埋められた森喜朗会長

「IOCの露骨な豹変は今に始まったことではない」

「Absolutely Inappropriate!」

   IOC(国際オリンピック委員会)が2021年2月9日、東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)に「最後通告」を突きつけた非難の言葉は強烈な表現だった。「Absolutely」は「絶対に」「完全に」「無条件で」という意味。「Inappropriate」は「不適切」「不穏当」という意味だ。森会長の女性差別発言を「完全に不適切だ」と問答無用に切って捨てた。

   この断罪の言葉は、IOCの公式サイトに掲載された「オリンピック・ムーブメントにおける男女平等に関する声明」の中で、森会長の発言を引用したなかで使われた。

   声明では、

「過去25年間、IOCはスポーツにおける女性の進出に重要な役割を果たしてきた」

とIOCの立場を強調。そのうえで、

「森会長の最近の発言は『Absolutely Inappropriate』で、IOCの公約や改革指針の五輪アジェンダ2020に矛盾している」

とバッサリ斬り捨てた。

   そして、森会長の進退には言及しなかったが、11項目に及ぶ取り組みの成果を強調しながら、

「IOCは男女平等や反差別などの取り組みを引き続き提供していく」

と、森会長がトップにいる日本の五輪組織とは「別路線」であるかのように記したのだった。

   森会長の発言があった翌日の2月4日、森会長の謝罪会見を受けてIOCが出した「問題は決着したと考えている」という終了宣言の声明とは正反対だ。森会長が記者会見でブチ切れして国内外の世論を激昂させ、スポンサーからも非難の声が続出したため、慌てて軌道修正を図ったとみられる。

   スポーツニッポン(2月10日付)のコラム「記者の目:IOCまたしても犯した同じ過ち... 批判の矛先変わる前に慌てて『最後通告』」で、藤山健二編集委員はIOCによる事実上の「森会長への辞任勧告」だと指摘する。

「IOCの朝令暮改は今に始まったことではない。昨年(2020年)3月には理事会で東京五輪を『予定どおりに開催』と決議したにもかかわらず、5日後に延期を発表。選手たちや各国五輪委からの思わぬ反発が理由だ。その時世論を見誤ったIOCは、1年後にまた同じ過ちを犯した。森会長の発言内容や国際世論を確認する前に早々と『謝罪したので問題は終了』と幕引きを図り、墓穴を掘った。しかも今回は世論だけでなくスポンサーやボランティアまでが抗議の声を上げ始めたため、批判の矛先が自分たちに向けられる前に、慌てて新たな声明を出したというのが実態だ」

   そして、こう結ぶのだった。

「IOC自身が2014年に定めた『アジェンダ2020』の『男女平等』という最重要項目を、事もあろうに組織委員会のトップが否定も同然の発言をしたのだから、辞任に値するのは当然だ。IOCから最後通告を突きつけられた形となった森会長と組織委が、2月12日にどんな決断を下すのか、世界中の目がTOKYOに注がれることになる」

   元JOC(日本オリンピック委員会)理事で、五輪選手団本部員を5大会連続で務めた春日良一氏は、2月10日放送のフジテレビの情報番組「とくダネ!」に出演。今回のIOCのダメ出し声明についてこう解説した。

「IOCの基本方針は組織委員会の人事には不介入ですが、森氏が身を引かないと東京五輪自体が危うくなる可能性があるぐらいの重いメッセージです」
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