2024年 4月 23日 (火)

20年前以上に読んだ本が今、現実に 脱炭素社会の実現に向けて(IHI会長 満岡次郎さん)

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瀧本哲史さんが若者に語った言葉

   満岡さんの話はだんだん、科学技術と社会の関係に入ってきた。そして、じつに意外な本を勧めるのだ。

――社員や若い人にオススメの本を教えてください。

満岡さん「2019年8月に急逝した瀧本哲史さんの『2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義』(星海社新書)です。日本や世界のこれからが不透明ななか、若い人に動いてもらわないといけないし、考えてもらわないといけない。持続可能な社会を作るにはどうしたらいいのか? 自分の頭で考えることを訴えています」
脱炭素社会の実現に、満岡さんは「若者が未来を変えることを確信している」と言う。
脱炭素社会の実現に、満岡さんは「若者が未来を変えることを確信している」と言う。
「2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義」瀧本哲史著(星海社新書)
「2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義」瀧本哲史著(星海社新書)

   この本は、2012年6月に、京都大学客員准教授でありエンジェル投資家でもあった瀧本哲史さんが、29歳以下に限定し全国の10代、20代の約300人に行った講義を元にしている。

   高度資本主義社会の中でサバイブするために必要な「武器」を説いている。思考の枠組みとしてリベラルアーツ(人文科学)を学べ、ロジックとレトリックを学べ、自分の人生は自分で考えて自分で決めろ、などを訴えている。

   日本を代表する重厚長大型企業をリードしてきたトップが、瀧本さんの檄文とも思える若者への言葉に刺激を受け、推薦していることに驚きと感動を覚えた。

   脱炭素社会を実現するには、若者が未来を変えることを確信し、ジェネレーションギャップを解消する年長者の努力も必要だ、ということだろう。(渡辺淳悦)


プロフィール
満岡 次郎(みつおか・つぎお)
IHI代表取締役会長
麻布高等学校(東京都)卒。東京大学大学院工学系研究科修了、1980年石川島播磨重工業(現IHI)入社。民間航空機用エンジン畑を歩み、2008年に航空宇宙事業本部民間エンジン事業部長、2013年常務執行役員航空宇宙事業本部長などを経て2016年、代表取締役社長に就任。2020年6月から現職。 1954年生まれ、神奈川県出身。

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