ドラえもんを「パンク」する米国男が好きな街
ある番組の収録で、スコット・マーフィーさんにお会いした。
え、誰だって?
ほら、メディア露出もレコード会社的にバンバンとっていた、J-POPを日本語のパンクカバーで歌う、アメリカ人のお兄ちゃん。と言えば、顔が浮かぶ方もいらっしゃるでしょうか?
一番わかりやすいのは、「ドラえもんのうた」とか「乾杯」とか……
ただ、どれもこれもパンクアレンジなので、どの曲も同じに聞こえてしまうのが、もったいない! と個人的には思ってしまうのだが。
なんでも、来日した際に、日本の音楽に傾倒し、帰国してからも、YouTubeで見て、アーティストのカバーを始めたんだそうだ。
すごいなぁ、アーティストもYouTubeからネタ拾いをする時代なのね。
そこで「島唄」やスピッツの「チェリー」なんかを手始めにカバーしていったんだとか。
収録前夜に原宿でライブがあったのだが、そこではなんと鼠先輩の「GIROPPON」までカバーしていた。あのフレーズ、♪ぽっぽ~、ぽぽぽぽぽぽぽぽ~っぽ~♪の部分だけだったけどね。同じレーベル・メイツだから可能という、レコード会社の売り方、上手いなぁ。恐れ入ります。
さて、日本の音楽に傾倒したスコットさんは、ついには独学で日本語を勉強。気になる日本語力は、文句なしの大合格! なんたって、日本のトーク番組に出演できるぐらいですから……
どう見てもコテコテの白人(この表現、ちょっと微妙)なのに、ギャクまで日本語で飛ばせるほどだ。
そして、彼の日本への想いも相当興味深い。好きな街は、下北沢。
若者の街、下北沢は彼が大好きな居酒屋も多く、夜中に歩いていても銃で撃たれる心配もない。もう、日本に住むなら絶対にシモキタ!と断言していた。
私たちにとっては当たり前のことでも、海外の人からみれば、なかなかオモロイことに見えるらしい。
いつもいつも東京の片隅で引きこもりのような仕事をしていると、自分の身の回りのことにばかり目が行きがちで、視野もせまくなる。
ジブリ映画「崖の上のポニョ」の宮崎駿監督のセリフ、"大事なことは半径3メートル以内にある"のように、本当は大切なことや面白いことは沢山身の回りにはあるのに、それに気付かずに過ごしているだけなのかもしれない。
スコットさんのシモキタ大好き話を聞いて、身の回りのことを違った視点から見ることの大切さを感じた。