2019年 2月 24日 (日)

塩害地で水耕栽培―被災農民「さんいちファーム」農業再開宣言

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   「さんいちファーム」という。瀬戸誠一さん(62)、平山一男 さん(65)、瀬戸健一さん(52)と、名前に「一」がつく3人の農家が作った「農場会社」がきのう11日(2012年1月)に仙台に誕生した。津波で家も畑も失ったのみならず、塩害で耕作もできないゼロからの農業再開宣言だ。「日付にも1を並べた」

家も畑もやられてカネもない…まったくのゼロからの出発です

   3人は仙台市宮城野区の米・野菜農家だ。津波で全てを失ったが、農業以外にできることはない。農地は海水と土砂、がれきに浸って耕作はできない。元へ戻すには何年もかかる。金もない。

心意気

   「ゼロの人間に金を貸す人はいないわな」(瀬戸誠一さん)

   「われわれだけ、土地残されている」(瀬戸健一さん)

   平山さんは昨夏に野菜を作ってみたが、「塩害とドロドロのヘドロで」ナスは病気、トマトは完全にダメだった。

   そこへ、東京の環境コンサルティング会社「リサイクルワン」が野菜の「水耕栽培」システムを提案した。塩害の土地でも施設さえ作ればできる。国や県から補助金も受けられる。「われわれがやれば、新たな若い人たちもやるようになるだろう」(平山さん)

   このシステムは、野菜の根の部分の温度をコントロールして、水耕栽培でトマト、サニーレタス、ツッコラ、サンチュ、パセリなどを毎日出荷できる。水耕の土台となるテーブルの原料には、震災のがれきの廃プラスチックを使った。ただ、いままでやってきた農業とは全く違う。戸惑いも不安もある。

   「溶液栽培の難しさ、怖さもわかっているから、コストもあるから迷った。もう農業ができないと思ったときだから、乗るしかない」と健一さんはいう。誠一さんも「ここで足踏みしたら負け。生活に、人生に勝つためには前へ進む」と話す。

文   ヤンヤン | 似顔絵 池田マコト
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