日本の民主主義が捨てられた10・22 政権による「メディアの大虐殺」が始まる
神戸製鋼はそんなに悪いのか?
最後に、週刊新潮らしい視点の記事を1本。「神戸製鋼はそんなに悪いのか?」という記事である。
アルミ・銅製品だけでなく、鉄粉や液晶画面材料、鋼線、ステンレス鋼線へと広がる「検査データ改竄」は、それを使っている鉄道、自動車、航空機メーカーなど500社以上に影響が出るのではないかといわれている。
しかし週刊新潮が取材してみると、被害者であるはずの顧客企業のほうが、むしろかばう方に回っているというのである。
自動車業界の関係者がこう話す。
「神鋼の問題はコンプライアンス(法令順守)と安全性を分けて考えたほうが良いと思います。たとえば問題になったアルミ製品はスポーツカーなど高級車のボディパネルに使われることが多いんです。しかし、データが改竄されていたからといって走行中にパネルが剥がれたりなんてことはあり得ない。また、エンジンの部品にも神鋼のものが使われていますが、メーカー側が求めている元の規準が厳しいということもあって、問題にするレベルではない」
今回、自動車メーカーが車種を発表していないのは、安全性に問題がないから、リコールせずに静観するのが一番いいと考えているからだというのだ。
さらに、これから普及する電気自動車にはアルミの合金が不可欠だが、それを自社生産しているのは神鋼だけという事情もあるという。
東芝の二の舞はないというのだ。だが、今以上のデータ改竄が明るみに出てくれば、わからないだろうが。(文中敬称略)