真正面から学校の問題に切り込む 複雑な顔もつ女性を井上真央が好演
〈明日の約束 第1回~第4回〉(フジテレビ系、関西テレビ制作)

印刷

   古家和尚の脚本は、今時珍しいほど正攻法で真面目な学園社会派ドラマである。自身も幼い時から「明日の約束」という手紙日記で母親(手塚理美)に支配されてきた主人公の藍沢日向(井上真央)は、椿が丘高校のスクールカウンセラーである。バスケ部の吉岡圭吾が自殺して、1年B組担任の霧島直樹(及川光博)と奔走する。
   圭吾の母親の吉岡真紀子(仲間由紀恵)は、学校に対して毒のある言葉を吐き、日向も霧島も母親の真紀子に問題があるのではないかと意見が一致する。一方、バスケ部のキャプテン・長谷部は、バスケ部顧問の教師・辻が襲われた事件で、アリバイがあるのに「自分が犯人です」と名乗り出る。結局、釈放されるが、実はイジメ(?)で自殺したと母親が主張していた圭吾は、キャプテンの長谷部に、タバコを吸っていたことをチクると脅迫して、バスケ部の中でのポストを要求していたことが分かった。ここまでが4話の内容である。
   キツイ強権支配の母親から自立しようとする日向の暗い表情と、子供たちの事件の真相を突き止めようとするカウンセラーの顔と、複雑で陰鬱な立場の女性を、井上真央が子役時代の「蔵」以来培ったキャリアで格闘しつつ演じている。校長(羽場裕一)のヘラヘラした優柔不断さは、現実社会の事なかれ隠蔽校長とリンクしているし、エキセントリックに突然怒り出す日向の母親は、自分の満たされなさを娘にぶつける中年女性の鬱屈を鮮やかに造形している。
(放送2017年11月7日21時~)

(黄蘭)

採点:1
  • コメント・口コミ
  • Facebook
  • twitter

このエントリーはコメント・口コミ受付を終了しました。

注目情報PR
追悼

お知らせ

電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中