2024年 3月 28日 (木)

「大坂なおみ」パワーも気持ちもセリーナに勝っていた!ピンチで冷静になれたテニス

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   全米オープンで優勝した大坂なおみ選手は、トーナメントを勝ち進んでいく中でどんどん強くなった。元世界ランキング4位の伊達公子が「優勝へのターニングポイントだった」と注目したのは4回戦だった。我慢のテニスでピンチを乗り切った試合だ。

   パワーテニスが持ち味のベラルーシのアリーナ・サバリエンカ選手を相手に、大坂は第1セットを取った後、第2セットは攻めに出たサバリエンカにブレイクされ、ミスの連続もあって落としてしまう。しかし、大坂は落ち込まず、最終セットはていねいなプレーを続け、第4ゲームになって一気に攻勢に転じて相手のミスを誘い、強烈なサーブで勝利した。

   大坂はその時のことを「もし負けたらどんな気分になるかと、少しネガティブに考えてしまった。悪夢がよみがえった」と振り返る。大坂とは食事をともにするなど、付き合いの多いプロテニスプレーヤーの尾崎里紗は「昔のなおみならメンタルを回復できず、負けていたかもしれない。今回はメンタルの部分でしっかり切り替えをし、自分を信じたので崩れかけても立ち直り、ファイナルセットを戦えたのだと思います」と語った。

   3年前に大坂と対戦して勝ったこともある伊達は、「大きく変わっていますね。比べるのもおかしいぐらい。なによりもパワーだけに頼らなくなったのが一番大きい」と分析する。

コーチのサーシャ・バジンが教えた「パワーに頼りすぎるな」

   ピンチでも耐えられるテニスへの成長。支えたのは信頼できるコーチとの出会いだった。今シーズンから大坂のチームに加わったサーシャ・バジンだ。パワーに頼りがちで自滅することがある大坂に、コントロールを重視したストロークを強化し、精神面での脆さを克服できるよう指導した。フィジカル面でも、筋肉量を落とさずに7キロ減量するなど強化した。

   そして迎えた憧れのセリーナ・ウイリアムスとの決勝戦。第1セットは大坂が圧倒するが、第2セットはセリーナにパワーとテクニックで1-3とリードされる。伊達が注目したのは次の第5ゲームだった。

   セリーナのサーブを打ち返した大坂のボールは、セリーナが触れることすらできない見事なリターンエースとなり、流れを引き寄せた。伊達は「勢いがセリーナにつき始めたところでブレイクし、相手のサービスゲームとなった。そのあとのファーストポイントはすごく大事なのですが、大坂選手はその時にしっかり気持ちを切り替え、ファーストポイントをとりました。その心の準備が彼女にとって大きかったですね」という。

   苛立ちを募らせるセリーナが爆発し、ラケットを地面に叩きつける。審判に向かって「嘘つきはあなただ。泥棒だ」と罵声を浴びせ、会場は異様な雰囲気に包まれる。大坂はこのムードに巻き込まれることなく、そっとその場を離れ、そして勝った。とても20歳とは思えぬ落ち着きぶりだった。

文   モンブラン
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