2024年 5月 7日 (火)

文春の「三浦春馬と佐藤健との葛藤12年」によると、大ヒット映画『るろうに剣心』のエンドロールに健の名前が流れた瞬間、客席の春馬が突然立ち上がった。口惜しさをいっぱいに滲ませた表情は、暗い室内でも隠し切れなかった

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自殺者が増えている。私は藤木孝の死に衝撃を受けたが、元TOKIO山口達也もスローな死に近づいているのでは、と心配でならない

   ところで、予想されていたことだったが、自殺者が増えている。新潮によれば、厚生労働省と警察庁が集計した8月の自殺者数の速報値は1849人で、前年同月に比べて246人増えたという。8月にコロナで亡くなった人は全国で273人だが、自ら命を絶った人はその7倍近い。内訳は、男性が昨年比60人増えて1199人だったのに、女性は186人も増えて650人にもなっている。今回のコロナショックでは女性の雇用が悪化したといわれるが、数字はそのことを示しているのではないか。

   私は俳優で歌手だった藤木孝の死に衝撃を受けた。私が高校生の頃、藤木の『24000のキッス』が大ヒットした。日本人離れした顔立ちとツイストを踊るカッコよさにシビレた。その後は俳優に転身してミュージカルやテレビドラマで活躍した。最近はコロナの影響で自宅(私も住んでいる東京・中野区)にいることが多かったという。享年80。コロナ不況による仕事の激減や、再び舞台に立てるかという不安や焦りがあったのかもしれない。だがなぜ、自ら命を絶たなければいけなかったのか。

   老いれば、死はすぐそこにある。後期高齢者間近の私も、死について考えない日はない。だが自ら死を選ぼうとは思わない。三浦春馬、芦名星、藤木孝と相次いで自殺している。経済的な問題もあるかもしれないが、コロナという得体のしれないモンスターによって、何かが壊されていっているような気がする。

   元TOKIOの山口達也が飲酒で逮捕されたが、彼も離婚、ジャニーズ事務所退所、仕事を失い、たまに酒を飲むことだけが唯一の楽しみだったと文春が報じている。今回の事件を見ていると、山口はスローな自殺へと向かっているような気がする。心配である。

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元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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