2021年 5月 10日 (月)

トヨタ社長「股肱の臣」退社の背景 後任は「メディア」天敵の広報マン 修羅場知らない「転職組」「いい人」「門外漢」若手役員陣に不安の声

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   現代のトヨタの記事が面白い。21年1月1日付け人事で、豊田章男社長の「股肱の臣」といわれた執行役員の友山茂樹(62)が退任するという。

   90年代半ばからトヨタのIT化を推進してきた人物だそうだが、この人事に社内は凍り付いたという。

   「友山は栄転してグループ企業のデンソー社長になるという噂もあったが、実際は真逆だった。これは更迭人事。明確な理由こそわからないが、豊田社長の逆鱗に触れて『お手討ち』にあったと社内では言われている」(関連会社役員)

   豊田という人は好き嫌いが激しく、気にいった幹部は徹底的に重用するが、少しでも気にいらないことがあると、経営中枢の幹部でも容赦なく「島流し」にするそうである。

   今回もその悪い性分が出たのだろうが、ジャーナリスト井上久男によると、友山の後任者にも問題があるというのである。渉外と広報で副本部長を兼任する長田准(54)が昇格するそうだが、この人物、メディアにとっては「天敵」なのだという。

   今年の5月、トヨタが21年3月期決算の見通しを、「営業利益が8割減の5000億円」と発表した。公表した通りにメディアが報じても、「見出しが気にいらない」と編集部に乗り込んで、居座って説教したという。

   11月には、トヨタが中間決算を発表する前に日経と毎日が報じたら、両社をオンライン決算から締め出し、出入り禁止処分にした。日経社長には豊田社長から直接抗議文を送ったそうだ。

   井上は、長年トヨタを取材してきたが、豊田社を除く執行役員の全員が40代50代になったことに一抹の不安を覚えるという。「なぜならば、執行役員の多くが修羅場を踏んでいないのだ。一言でいえば、彼らは『プロ人材』ではない」。新体制の10人の執行役員を表すキーワードは「転職組」「いい人」「門外漢」だという。

   EV車がガソリン車に取って代わろうとしている「大変革」の時期に、社長の気分でイエスマンばかりを周りに置くというのでは、トヨタの将来も危ういかもしれない。

朝日新聞の大甘リストラ策

   危ういといえば、朝日新聞も「大赤字なのにリストラ策が甘い」と文春が報じている。今年の9月の中間決算は純損益が419億円の大幅な赤字で、朝刊の部数も500万部を割り込んで、まだ下げ止まらない。

   その責任を取って渡辺雅隆社長が来年4月1日付で退任すると表明した。社員の年収の1割をカットするなどやったが、力量不足は明らかだった。

   その渡辺社長が最後っ屁のように打ち出したのが「希望退職」だが、これが大盤振る舞い過ぎると批判を浴びているようだ。管理職を除く45歳以上の社員が対象で、通常の退職金に加えて、年収の最大4割を退職日から60歳の誕生日月まで払うというもの。

   100人以上を目指すというが、これほどの厚遇なら、優秀な人間からどんどん辞めていくのではないかと心配になるが、そこが大朝日病、殿様商売といわれる所以である。

   先のトヨタの話ではないが、もし今EV車になっていたら、関越道で起きた2000台を超える自動車が立ち往生したようなとき、一体どうなっていたかと新潮が特集を組んでいる。結論は簡単だ。

   もしそうだったら、より深刻な事態になっていた。そう話すのは、株式会社ピーコックブルーの瓜生洋明だ。「それに、雪国に住む人はそもそもEVを買わない」。その最大の理由はバッテリーのリスクだという。「バッテリー残量が底をつけばタイヤが動かないどころか、車内のエアコンも止まってしまいます」。当たり前のことだが、こうした基本的な問題をEVメーカーはどう解決していくのだろうか。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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