電気機器現状デジタル家電で2003年ごろから急速に業績が回復日本の電気機器市場は、経済産業省などによると2002年で6兆9488億円ある。従業員数は21万8000人。電気機器市場は洗濯機や冷蔵庫などのいわゆる「白物家電」や、家庭用AV(音響映像)機器、照明器具、パソコンなどが含まれている。生産総額は機械工業全体の1割強を占めており、日本の主力産業の一つといえる。 ![]() 家電販売店で省エネや、食品へのラッピング不要など効能を競う新型の冷蔵庫 定義によって違うが、日本の大手電気メーカーは9社ある。9社とは日立製作所と、松下電器産業、ソニー、東芝、NEC(日本電気 注 読み方ニッポンデンキ)、富士通、三菱電機、シャープ、三洋電機である。これらにパイオニアを付け加える時もある。2002年の売上高を基にした世界的なランキングでは、日立が3位に入っているのを筆頭に、ソニーと松下、東芝、NECがベストテンに入っている。 「ITバブル崩壊」を受けて業績悪化日本の電気機器メーカーは、日本における2001年のいわゆる「ITバブル崩壊」を受けて、通信機器や半導体などの販売がふるわず、業績が悪化。巨額の赤字を計上する企業が続出した。 しかし2003年ごろから急速に業績が回復してきた。背景にはデジタル家電が人気化したことがある。デジタル家電とは、従来の家電をデジタルやエレクトロニクスの高度な技術により高機能化させたものである。デジタル家電をてこに、日本の電気機器メーカーは新たな飛躍を目指している。 「デジタル新三種の神器」が急速に人気集める「デジタル新三種の神器」はデジタルカメラ、薄型テレビ、ハードディスク付きDVDレコーダーである。もともと「三種の神器」とは、日本の天皇家に代々伝わる宝物を指す。これが転じて、戦後の1955年には「電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビ」が「三種の神器」と呼ばれた。さらに2003年になって、デジタルカメラなど新たな3種類の機器が大ヒットして「新三種の神器」と呼ばれるようになった
デジタルカメラは技術の進歩と量産効果により急速な価格の低下と高機能化が実現し、従来のフィルムカメラに近い画質が実現された。このため、2003年ごろから一般消費者がフィルムカメラからデジタルカメラに乗り換える現象が出てきた。この分野で強いのは家電のソニーと精密機器最大手のキヤノンである。ほかに松下電器産業や三洋電機といった家電メーカーや、オリンパスやニコンなどのカメラメーカー、そして富士写真フイルムなどが強みを発揮している。 新三種の神器は、日本メーカーが世界の9割のシェアを持つ薄型テレビには、液晶テレビとプラズマテレビの2種類がある。液晶はシャープが圧倒的に強い。プラズマは松下電器産業や日立製作所が強い。これらの企業をソニーや東芝、パイオニアなどが追う展開となっている。液晶テレビは30インチ台のものが多い。これに対してプラズマテレビは40インチ以上の大型のものが売れ筋の中心だ 新三種の神器の一角を占める「ハードディスク付きDVDレコーダー」は、単に「DVDレコーダー」と呼ばれることも多い。従来のテープを使ったVTR機器とは違い、番組をハードディスクの中にデジタル的な形で録画し、DVDディスクにダビングする機能をDVDレコーダーは持っている。大量の番組を録画できるほか、編集や頭出しが簡単という特性を持ち、大ヒットした。 こうした新三種の神器は、日本メーカーが世界の9割のシェアを持つともいわれる。機器内部には日本勢が強みを持つ高機能の半導体が使われているケースが多い。この半導体はシステムLSIと呼ばれており、日本のルネサステクノロジやNECエレクトロニクスなどの企業が強みを持っている。 「iモード」サービス開始で携帯電話の利用が爆発![]() 多くの買い物客が行きかう東京・秋葉原の電気店街 このほか見逃せない製品として、携帯電話が挙げられる。携帯電話は日本市場で異常に機能の高度化が行われた。1999年に携帯電話の通信会社「NTTドコモ」が、携帯電話だけでインターネットができる「iモード」のサービスを開始。これがきっかけで携帯電話の機能の高度化が加速度的に進んだ。いまや携帯電話にインターネット接続機能がついているのは当たり前となったほか、携帯画面上でゲームなどのアプリケーションを楽しめる機能も標準的なものになりつつある。 一方で通信速度は高速化の道をたどっている。これに加え、デジタルカメラ機能が付加したことにより、携帯電話の出荷は底堅いものとなった。いまや最新の携帯電話の多くは、200万画素以上のカメラ機能を搭載しており、利用者は日常的にカメラ機能を使っている。機能を増やした結果、携帯電話端末は100グラム以上のものが増え、大画面の液晶を搭載するケースがほとんどだ。 2004年12月にソニーが新携帯ゲーム機「PSP」を発売
またゲーム機器の普及も進んでいる。ソニーの子会社、ソニー・コンピュータエンタテインメントが販売する「プレイステーション2」は世界的なヒットとなった。一方で携帯型ゲーム機の戦いも激化している。日本では既にソニーと任天堂が携帯型ゲーム機を販売し、主に小学生や10歳代の男性に人気がある。電車の中で若い男性がゲームに興じている光景は珍しいものではない。こうした風土を背景に、2004年12月にはソニーが小型データディスクのドライブを搭載した携帯ゲーム機「PSP」を発売。任天堂は画面が2つある携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を発売し、ソニーと真っ向から勝負を挑む 歴史戦後、長い間、通信機器主体の発展を続ける
日本の電気機器工業は、もともとは通信サービスが発端で発展を続けた。1869年に東京と横浜の間で官用の電信設備が整備されたが、これをきっかけに各電気メーカーは通信機器に力を入れていった。戦後、長い間、日本の電気機器工業は通信機器主体の発展を続けてきた。日本最大の通信事業グループ「NTTグループ」に対し、松下電器産業やNEC、富士通などは積極的に協力し、NTT向けの機種開発に注力した。
将来を展望するための3つのポイント
ポイント1
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