「敵はもうGMではない、現代だ」トヨタの本音トヨタ自動車が06年、世界最大の自動車メーカー、米ゼネラル・モーターズ(GM)を、生産・販売台数で抜く可能性が高まっている。販売不振のGMは来年中に米国内の完成車工場をいくつか閉鎖するためだ。ただ、米国のシンボルでもある自動車産業で、そのフラッグシップ的存在のGMを追い越すとなると、アメリカの反発が予想されるだけに、トヨタは当惑している。その一方で、「敵はもうGMではない、現代だ」という声が社内に上がっている。 2003年にGMがトヨタの申し出をける
最近のGMの不振にトヨタは神経を尖らせている。トヨタはここ20年ほど、GMとは常に「協調」を意識し、演出してきた。トヨタがGMと1984年、米国カリフォルニア州に合弁会社「NUMMI」を設立したのも、GMさえ抑えておけば将来起きかねないトヨタ批判もかわせる、という狙いがこめられていた。ここ数年でいえば、トヨタはガソリンと電気を燃料にするハイブリッド車や、燃料電池車についても、GMと共同で研究・開発することに前向きだった。 富士重系列化もトヨタによるGMの救済策
トヨタ自動車は05年10月、国内中堅自動車メーカーの富士重工業に資本参加することで合意した。富士重はGMとの資本・業務提携を解消、GMが保有する富士重株のうち、発行済み株式数の8.7%に当る6800万株を354億円でトヨタに譲渡。残る11.7%分の保有株は市場で売却して富士重がこれを買い入れる。GMの傘下から事実上、トヨタグループに「籍」を移す格好だ。富士重の企業価値は「技術力の高さと独創性にある」とされ、それにトヨタが注目した、といわれるが、最大の目的は、トヨタによる、資金繰りに苦しむGMの救済だと日本では見られている。
1-9月の海外生産も前年期比44.7%増の約45万台と好調だ。成長が著しい中国の自動車市場では、2000年のシェアは、韓国系はゼロに近かった。しかし、2004年のシェアを見ると、欧州系が大きく落として31.3%、米国系と日本系はともに伸びて、12.9%と28.2%だった。現代自動車を中心に韓国系も中国市場に食い込み始め、8.3%。2005年の1-8月のシェアを見ても、欧州系20.6%、米国系12.9%、日本系29.7%、韓国系11.5%。1-10月はさらにシェアを伸ばし、韓国系の勢いは加速している。現代は、中国だけに限らず、北米でも事業を強化し、グローバル展開を目指している。 自前の部品メーカーを抱えている点がホンダより脅威だ
現代は1980年代後半、北米に進出し、「ポニー」という小型車で一時ブームを起こした。しかし、さびの発生など品質面で問題があり、結局撤退した。この失敗を教訓に、「日本車を追い越す」という錦の御旗のもと、品質を最重要課題として取り組んできた。その結果、「現代は日本車のライバルになりつつある」というのがトヨタの結論だ。一番恐れているのは価格。例えば、最上級モデル「アゼラ」(Hyundai Azera)はV型6気筒・排気量3800ccの大型セダン。独メルセデス・ベンツSクラスや独BMW7シリーズより広い室内空間と充実した安全装備などを売り物にする一方、価格は3万ドル以下。トヨタ自動車「レクサス」やホンダ「アキュラ」といった高級車ブランドの最低価格帯は3万ドル前後で、この分野に食い込む可能性は十分ある。
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