長谷川洋三の産業ウォッチ
競争原理:渡辺行政改革担当相の現状認識

2007/11/ 3 19:53

「現状を続けることが日本の最大の不幸だ。天下り慣習に変わって市場価格による官民交流を確立させ、民主導による競争原理を導入することが、1940年体制のDNAを変えることになる」

   渡辺喜美行政改革担当大臣は2007年10月19日、経済同友会の会員懇談会でこう指摘し、1940年体制の打破と国民に役立つ仕組みつくりの必要性を強調した。行革担当として渡辺大臣が取り組んでいる最大の課題は「独立行政法人の整理合理化」だが、頭が痛いのはこの独立行政法人を廃止、民営化、統合、非公務員化することによって財政支出を削減しようとしても、ゾンビのように復活することだ。

   競争原理の導入を好まない風土が底流にあるためだが、渡辺大臣は、競争をやってはいけないというDNAは、企業を国家目的に奉仕させる目的で1940年に確立した国家総動員体制が生み出した、というのが持論。独立行政法人整理合理化計画への国民の関心を促すため、独立行政法人のありかたなどについて国民からの意見募集を始めるそうだが、長年引き継がれたDNAが短期間に改革できるかどうかは、大臣一人の問題ではなさそうだ。


【長谷川洋三プロフィール】
経済ジャーナリスト。
BSジャパン解説委員。
1943年東京生まれ。元日本経済新聞社編集委員、帝京大学教授、学習院大学非常勤講師。テレビ東京「ミームの冒険」、BSジャパンテレビ「直撃!トップの決断」、ラジオ日経「夢企業探訪」「ウォッチ・ザ・カンパニー」のメインキャスターを務める。企業経営者に多くの知己があり、企業分析と人物評には特に定評がある。著書に「クリーンカー・ウォーズ」(中央公論新社)「ウェルチの哲学「日本復活」」、「カルロス・ゴーンが語る「5つの革命」」(いずれも講談社+α文庫)、「レクサス トヨタの挑戦」(日本経済新聞社)、「ゴーンさんの下で働きたいですか 」(日経ビジネス人文庫)など多数。


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