東京国際映画祭の広告コピーが物議 映画人から不満続々「最低だ」「恥ずかしい」

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   アジア最大級の国際映画祭「東京国際映画祭」が2014年も盛り上がりをみせる中、「キャッチコピー」を巡るちょっとした騒ぎが起きている。

   問題のコピーは「ニッポンは、 世界中から尊敬されている映画監督の出身国だった。お忘れなく」というもの。会場周辺の掲示や新聞広告でも使われているのだが、これが映画関係者や学者らから顰蹙(ひんしゅく)を買っている。

津田大介氏「引き合いに出された監督も生きてたら怒るのでは」

「第27回東京国際映画祭」が開催されている六本木ヒルズ
「第27回東京国際映画祭」が開催されている六本木ヒルズ

   今年で27回目を迎える「東京国際映画祭」(TIFF)は10月23日から9日間にわたって開催されている。オープニングセレモニーも盛大に行われ、幸先のいいスタートをきった。ところがインターネット上では先の「キャッチコピー」に関する違和感が指摘されるようになった。

   コピーは新聞広告にも使われており、23日朝刊の読売新聞に掲載された広告は「世界のクロサワ」こと黒澤明監督が写ったバージョンのものだった。

   これに映画ファンらは「身内自慢みたいで恥ずかしい」「過去の栄光にすがっているようで見苦しい」「上から目線だし、脅しの感情にもとれる」といった反発の声をインターネット上に投稿。物議を醸すこととなった。

   映画関係者も眉をひそめる。映画批評家の葛生賢氏はツイッターで

「TIFFの無粋な看板のコピーを考えたのは日本映画の古典など見ない人だろう。見ていたら我が国の巨匠たちがいかに外国映画から学んでいたかがわかるだろうし、恥ずかしくてあんなこと書けないはずだ。だからあれは日本の文化や歴史について無知なのに『日本は云々』と抜かすネトウヨと同じレベル」

と批判した。

   TIFFの特別招待作品として自作品が上映された松江哲明監督もツイッターで「東京国際映画祭は好きだけど、このコピーは最低だと思います。個人の業績を国に重ねるのが最近の流行だけど、みっともないことだと思う」と不満をこぼす。

   2013年に第86回キネマ旬報ベストテンで、日本映画の1位となった映画「かぞくのくに」で知られる在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ監督は「これってホントに映画祭側発信のコピーなんですか?"勘違い愛国者"の落書きじゃなく?マジ???」とつぶやき、とても信じられないようだった。

   さらに疑問視されているのは、コピーの下に記された「Lest we forget; our nation gave birth to some of the world's most respected directors」という英語の訳文だ。

   主語が「our nation」になっていることや、主に戦没者の慰霊時に使われる表現「Lest we forget」を採用していることが腑に落ちないようで、ジャーナリストの津田大介氏も「これ英文訳付いてるのが最高に恥ずかしいよな。引き合いに出された監督も生きてたら怒るのでは」と指摘する。

安倍首相も意気込む「魅力、一層力強く発信していきたい」

   一体このコピーはどのような思いを伝えようとしたものだったのか。TIFFの事務局に問い合わせたが、担当者からの連絡は返ってこなかった。

   今年のTIFFは総合プロデューサーに秋元康さんを迎え、銀座の「歌舞伎座」で特別上映を行ったり、世界コスプレサミットの特別イベントを開いたりと「クールジャパン」を意識した企画が盛り込まれた。文化庁も支援しており、オープニングセレモニーには安倍晋三首相が登場するなど、まさに国を挙げての一大映画祭の色合いを濃くしている。

   セレモニー出席後に安倍首相がFacebookに綴ったコメントからも、政府が東京国際映画祭を重要視していることが伺える。

「我が国が誇る質の高い日本映画は、日本の文化、魅力を世界に伝える『クールジャパン』の一翼を担う重要なコンテンツです。東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年を見据え、映画を通じて、日本に関心を持ち、日本の文化に触れ、日本のファンになってくれる人々が世界中に増えるよう、日本映画の魅力を一層力強く発信していきたいと思います」

   なお、TIFFのコピーのバリエーションは「ニッポンは~」以外にもあり、たとえば「TOKYOが、カンヌ、ベネチア、ベルリン、を超える日が、やってくる!?」というものもある。アジアでは釜山映画祭(韓国)や上海映画祭(中国)も認知力を高めているだけに、開始から四半世紀以上が経った先輩格のTIFFとしては、「クールジャパン」や「日本ブランド」との相乗効果で盛り上げを図りたい考えのようだ。

世界的監督を輩出した国は世界中にある

   確かに日本三大巨匠といわれる黒澤明監督、小津安二郎監督、溝口健二監督は海外でも特に評価が高く、多くの外国人監督にも影響も与えている。2012年には、世界の映画監督らが投票する「サイト・アンド・サウンド」誌の「最も偉大な映画ベスト50」でも3人揃って入選を果たしていた。

   とはいえ、本来国境を超えて作品の評価を問うべき国際的な映画祭で、その開催国が自国の監督をことさら自慢し、「お忘れなく」と強調することはホスト国として残念な姿勢であり不毛ではないかというのがおおかたの見方だ。また、黒澤監督らほどの名声を得ていないにせよ、海外で高い評価を受けている監督は何人もいる。そうした現在活躍している監督らに対して失礼だという声も多い。

   東京芸術大学准教授の社会学者、毛利嘉孝氏はツイッターで「国際的な存在感の低下が『日本を誉めて』症候群を生んでいる。末期的な感じさえする」と評し、コピーからうかがえる意識を問題視した。

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