中学で「武道必修化」これで礼節を学べるのかい?
中学校の保健体育授業で選択となっている柔道や剣道などの「武道」と「ダンス」を1、2年の男女全員が必ず履修するように――中央教育審議会=中教審の専門部会が学習指導要領を改定する素案をまとめた。
この日のとくダネ!のオープニングは小倉智昭のひとりトークが長かった。
「安倍さんが教育基本法の改正をなにがなんでもやりたいといっていた。これを受けて中教審がニッポンの文化と伝統を守る、重視するといって、何と中学の1、2年生は男女とも武道とダンスをともに必修科目にせよということになったらしい」
「イヤな人もいるだろうと思う。ぼくは武道を見るのは好きだけど、やるのは大変だろうね。大体、胴衣は汗臭くてたまんないね」
武道といえば柔道、剣道、弓道、なぎなた・・・フォークダンスを熱心に楽しんだ年代の小倉にすればなぜ今頃になって?時代錯誤ではないかという疑問を投げた発言となった。
「ニッポン古来の礼節を学ぶのが、武道をやることでゼッタイなのか、プラスになるのか・・・」
サッカーを例にあげる。ボールひとつで気軽に楽しめるし、運動にもなれば、級友たちとのコミュニケーションも可能だ。
その点、武道となれば用具一式を用意するだけでも莫大な予算がかかる。
こうした問題についての意見は百人百様だろう。キャスターの笠井信輔アナは「ぼくは武道の必修化はわかるような気がする」といいながら、ダンスについては「何が根拠なんですか?」
ダンス。創作ダンス、フォークダンス、ヒップホップ・・・「こんなの教える先生がいるんですか」(笠井アナ)
「ダンスは自由で楽しいですよ。みんなでオリジナリティを発揮して」(佐々木恭子アナ)
「私は私立の女子校で詩吟の踊りをやったんです。洋風文化育ちのわたしたちにとって結構新鮮で刺激的でしたね」(高木美保)・・・個人的な各論である。
中教審では「必修化で一層、この国の伝統に親しんでもらいたい」という見解だ。
「ダンス?そんなもん恥ずかしくてやってらんないよ」「武道?イヤというよりそれって何なの?」男女中学生から反発の声が聞こえてきそうなテーマだ。
果たして教育現場で「伝統と文化の尊重」を必修として押しつける必要があるのか。美しい国作りに武道の教育でケリがつくのか。この日のオープニング論議の意味合いは深い。