まるで昼メロのごときドロドロドラマである。権力の頂点を目指せと育てられた財務省官僚の有川崇(北村一輝)は、長年の恋人である笹山宣子(小池栄子)を捨てて民自党政調会長・白川(奥田瑛二)の娘・尚子(上原美佐)と見合いする。2人が意気投合したのに難問発生。実は崇の母の有川三奈(真野響子)は学生時代に左翼の活動家で、東大安田講堂陥落の時に、白川と愛し合い彼の子を妊娠していた。つまり、崇と尚子は兄妹だった。白川は知らない。
捨てられた宣子の復讐が始まるらしいが、どこかのメディアに、「華麗なる一族」に似たドラマと書いてあって大笑いした。何故なら似て非なるレベルだからである。「華麗なる」には、原作者山崎豊子の透徹した人間観察があり、ただのドロドロではなかった。本作も原作は楡周平の小説だが、如何せんハーレクインロマンスレベル。
今回は妊娠した尚子を連れて三奈が知り合いの産婦人科医師に診察を仰ぐ。崇とは近親相姦なので、超音波で胎児に奇形がないかどうか調べさせるのだ。それは危険を伴う検査で、次回には流産の危機が来るらしい。はっきり言ってバカか。ちゃんとした家庭の結構な歳の娘が、まだ結婚もしていない相手の母親にいきなり連れられて見ず知らずの医師に診察されに行くか? 女は好きな男の種を宿したら、本能的に子供を守ろうとするものである。無防備すぎる。母親に従順すぎる崇も、とても高級官僚の知性とは思えない。
(黄蘭)

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