同じクールに「曲げられない女」と「まっすぐな男」がバッティングするとは、テレビマンの脳味噌の狭さを証明したようなものだ。発想が同じ。松嶋健一郎(佐藤隆太)はサラリーマンで、とにかく杓子定規で猪突猛進、曲がったことが大嫌い。仕事先のイベントで潜り込んできた腹ヘリ女の栗田鳴海(深田恭子)を助けたことから、てんやわんやに振り回されて仕事にも支障をきたすことになる。
たわいのないコメディで、お約束通り反発しながらも、やがて2人は恋仲になるのが進行中。深田は厚化粧で肌が老けてきたし、佐藤は熱血先生には向いていても、建築業界のサラリーマンにはちょいと不似合いである。それが証拠に、わけのわからない遊び人の男、鳴海の元カレになる渡部篤郎が抜群にうまいので、2人が絡むシーンでは、佐藤は完全に負けている。
悲劇と喜劇を比べれば、日本では圧倒的に悲劇がもてる。もてるだけではなくて高級な概念と思われている。しかし、これは間違っている。喜劇こそが作るに難しく、かつ、人間描写の究極の手段なのである。だから、めったに成功はしない。連ドラでコメディを作るのは勇気がいるので、敢えて挑戦した脚本(尾崎将也)は褒めておこう。エピソードに余り説得力がないことと、演出も全体に嘘っぽく見えるのが致命的で、コメディだからといって、脇の人物たちをカリカチュアライズすることは不要だ。意あって力足らず。
(黄蘭)

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