不動産業界
2004.11.01 09:52
歴史
バブル崩壊後に地価が大暴落
日本の不動産会社は巨大な借金を抱えながら経営を行ってきた。日本の地価が右肩上がりを続けてきた80年代後半のバブル期には、金融機関から大量の借金をして土地を購入し、地価が値上がりした後でその土地を処分すれば、不動産会社には大きな値上がり益が転がり込んだ。しかし90年代に入ってバブルが崩壊した後は地価が大暴落し、売れば売るほど損が膨らむ悲惨な状況となった。企業にとっては土地を売らずにずっと抱えておく方法もあったが、そうなれば今度は金利負担が重くのしかかる。
しかも、地価の反発が期待できない状況では、土地を塩漬けにすることは、将来の売却損が広がる危険性を抱え込むことにもなった。まさに進むに進めず、退くに退けない状況だった。
時価会計の導入が値下がりを加速させる
しかも時価会計の導入によって、企業が保有する株式や不動産は、簿価よりも時価が低くなれば、自動的に評価損を計上しなければならなくなった。これは直ちに企業業績を直撃する。そのため上場企業の中には、不動産や株式を手放す動きが強まり、それが株価や地価の値下がりをさらに加速するという悪循環を引き起こすことになった。
こうした泥沼化した状態では、借金の返済もままならず、財務基盤の弱い中小企業や過大な借金を抱える大企業の中には倒産するところも出てきた。