将来を展望するための3つのポイント
ポイント1
都心部の地価はさらに上昇するか

JR東京駅八重洲口再開発計画: 2棟の高層ビルは07年にオープンの予定。その後それらを結ぶデッキが完成予定
これからの不動産業界の先行きを占う第1のポイントは、都心部の地価の上昇が今後も継続するかである。
都心部では大型の再開発事業が目白押しだ。汐留や品川、六本木での大型再開発事業は完了したが、都心部では東京駅の東側に当たる八重洲口の開発など大型の案件が控えている。国も特別措置法を設けて、税制優遇などで都市の再生を後押ししようとしている。
このほか、郊外の一戸建て住宅を売却して都心部のマンションを購入しようとする団塊世代の都心回帰の動きが、引き続き活発だ。この世代の子供の世代に当たる団塊ジュニアは30歳代の住宅取得世代に達する。これも都心部の需要を高めることになる。
こうした要因から都市の土地需要は、商業地、住宅地ともに引き続き堅調に推移すると思われる。
ポイント2
賃貸ビルの空室率は改善が続くか
不動産業界には「2007年問題」という頭の痛い問題がある。団塊の世代が2007年から続々と60歳の定年年齢に達する。大量の定年者が発生する結果、オフィスへの需要が低下して空室率が急上昇し、不動産会社の収益を直撃するのではないかという懸念だ。都心では再開発事業が引き続き高水準で続くことから、需要と供給の両面からオフィス需給は緩和する可能性がある。だが、マイナスの影響が直撃するのは、交通の便が悪く、手狭な中小の賃貸ビルだ。大手の不動産会社が所有する大規模な高層ビルの空室率は、景気の持ち直しとともに一段と堅調に推移する可能性がある。
ポイント3
新商品は不動産会社の収益拡大に役立つか
三井不動産などは、資金は外資系などの投資家に出してもらい、自分は開発手数料やテナント獲得の手数料で収益を稼ごうという戦略へ動き始めた。最近話題のREIT(不動産投信) は多くの投資家から資金を集めて不動産を購入し、そこから生じる賃料や売却益を投資家に配当するという仕組みの金融商品だ。不動産会社がこのREITの組成主体として乗り出し、新たな収益源にしようとしている。
不動産の流動化に注目する会社も増えている。不良債権の処理の過程で売りに出された不動産に付加価値をつけて、投資家に転売するビジネスだ。次第に参入が増えて、かつてほどのうまみはなくなってきているが、今後数年は成長余地がまだまだありそうだ。
不動産会社の収益源は、不動産関連の新商品を取り組むことで厚みを増すことになろう。