2019年 10月 21日 (月)

編集長からの手紙
会社はお金目当ての株主のもの?

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   かつて新聞社の特派員としてインドに駐在したとき、日本から送られてくる週刊誌がじつにつまらなく思えました。日刊紙にはその感はさほどありません。なぜだったのか?

   日本の週刊誌は国内の話題で埋め尽くされています。細かい情報がびっしり詰まっています。日本的、アジア的なサービス精神で、これがないと読者は満足しません。日本のメーカーが製品サービスに尽くす、というのも日本人ユーザーの要求なのです。日本ほど種々雑多、あらゆる商品が出回っている国はないでしょう。日本の商店にはそれらがあふれているし、雑誌にはそれらが山のように取り上げられています。
   細かい話題の中には、新聞が扱わないスキャンダル、とくに芸能界のニュースが多く出ています。しかし、これは日本のテレビを見ていないと分からない。そもそも、テレビに出ている人たちの話題だからです。インドで生活する私には、これらの日本でしか分からない情報はなんら価値を持たなかったのです。
   情報とサービスのあふれる日本からビジネス情報を発信することで考えるのは、受信する側との黙契(もっけい)の差です。差を埋めるのはコミュニケーションですから、こんな情報をほしい、これを知りたいというメールをください。できるだけ応えてみます。
   いま東京では株式が2つの点で注目されています。株価がどこまで上昇するか、バブルではないのか。これがひとつ。もう一点は株主の地位、敵対的企業買収を仕掛けた側の「企業は株主のもの」という主張です。法律的にはそうであり、来年施行される新しい会社法はその色彩を強めています。しかし、日本の企業風土ではうまくいかず、M&Aの失敗が続いています。そんなときに起きたのが、東京証券取引所での株式発注ミスです。ミスをしたみずほ証券は大損失を被るが、この1、2分間で大もうけをした会社や人もいます。インターネット掲示板は大騒ぎでした。
   「会社はお金目当てだけの株主のものでもあるのか?」
   日本の企業風土をいう会社経営者は、その感を深めたでしょう。

発行人(株式会社ジェイ・キャスト 代表取締役)
蜷川真夫

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