不振の日産 GM提携の「なぜだ」
2006.07.05 17:22
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「ゴーンマジック」は発揮されるのか
一方で、84万6,000台と設定した06年度の国内新車販売台数は「80万から84万6,000台の間になる」と述べ、目標を下方修正した。
株主総会では、05年度の事業報告の中で取締役11人に支払われた報酬総額が、25億2,700万円だったことが明らかにされた。一部株主からは、トヨタ自動車の9億4,000万円(対象26人)などと比べ「ダントツに高い」という批判も出て、ゴーン社長は「これまでの目標達成に対し、見返りがなくてはならない」と防戦に追われた。
経営危機に陥っていた日産は、ゴーン社長を99年に資本提携したルノーから迎えて以来、業績がV字型に回復した。「コストカッター」の異名を取る同氏が、徹底的にコストダウンを行ったからだ。ルノーのCEO(最高経営責任者)も兼任するゴーン氏は、今回の提携協議に前向きだ。ただ、日産で通じた手法がGM再建に通用するかどうかは疑問だ。
これまで、目標を「コミットメント」として掲げ、達成できなければ退陣するという背水の陣を敷き、目標をクリアしてきたゴーン社長だが、改めて真価が問われている。GMとの連携についても「ゴーンマジック」は発揮されるのだろうか。