2020年 4月 5日 (日)

軽い気持ちで「漏らす」 それが炎上につながる時代

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   この1年間、J-CASTニュースでは、様々な「ブログ炎上」の事例を取り上げました。そのせいか、「炎上」という言葉が一種の流行語になった年でした。年末企画「記者座談会」の第2回目では、「炎上」が起きる条件、時代背景について話し合ってみました。

2006年を振り返る J-CASTニュース記者座談会 vol.2

A: 今年色々あった「炎上」の中で、元アナウンサーの藪本雅子さんがブログに「女の子はパンツを見られない努力をしなさい!」書いて炎上した「パンツ事件」は大きかったよね。「言っている本人は、全然意図していなかったのに、結果として『炎上』してしまった」という点が、社会現象として注目すべきなのではないか、ということだね。

C: 藪本さん本人も「空気が読めなかった」とコメントしていますが、それ以降も、空気を読めずに炎上するブログが続出しました。

A: 空気を読む、というのは結構難しいのでは?

B: そう、読むべき空気が難しい。あのケースでは、パンツ云々よりは、日テレ自体の体質に対する批判が強かった。 盗撮した日テレアナウンサーの実名を日テレが公表しなかったことにも批判が集まった。藪本さんは、この点についてはブログでふれていなかったのに、何故かこれが藪本ブログでの「炎上」を加速させていた。

A: 実名でうっかりモノを言うと危ない。それを示した最初の本格的事例かも知れない。

「企業のヒモつき」と非難されて炎上したブログも…
「企業のヒモつき」と非難されて炎上したブログも…

D: 本来ならは、公序良俗に反しなければ、自分の意見を自由に言える場がブログだったはずなんですけどね…。 今となっては、暗闇の中から、誰かからいきなりぶん殴られる、という感じもしますよね。

A: でも、ぶん殴る側からすると、「それに対する耐性を持て」ってことでしょう?でもそれは、一般の心優しい人には酷だよね。

C: J-CASTニュースのコメント欄には過激な書き込みも多いせいで、感覚が麻痺してきたというか、耐性が出来た面があると思うのですが、その耐性を一般的なリテラシーとして身につけないといけない、というのは無理があるように思う。

上村愛子さん炎上はちょっとかわいそうだった

B: その一例が、スキーの上村愛子さん。亀田興毅選手の「疑惑の判定」の試合を途中から見て、純粋に「おめでとう!」って喜んだだけなのに、あんなに叩かれてかわいそう。それで、ブログ閉鎖の危機にまで追いつめられたんだよね。それでも閉鎖しなかったのは偉い。

D: マネージャーが、「夏から冬になるまでは、ファンと交流する接点がなくなるので、ブログだけは死守したい」って言ってましたね。「これだけは閉鎖しないで欲しい」と、ブログの管理会社にお願いしたらしい。

A: 印象に残る話は色々あるけど、やっぱりインパクトが一番大きいのは、ミクシィ経由で女性の裸の写真がばらまかれて、女性の実名も広まってしまった「三洋電機事件」かな。確かに、被害者でもある女性のことを思うと、「あれは記事化すべきではなかった」という考え方もある。「セカンドレイプ」になるということだね。コメントも含め、賛否両論という感じだった。ただ、「実名は危険性があり、さまざまに波及して、思わぬ問題が起きる」ということを示した、という意義はあった。警鐘を鳴らしたというか。だからこそ難しい部分がある。

B: これを書かないと、ニュースサイトとはいえない、と僕は思う。ミクシィという、あれだけ注目された媒体で起こった事件を、取り上げない理由が見あたらない。しかも、大企業、ファイル交換ソフト。役者はそろっている。時代の転換点、大げさに言えば、歴史的な事件だ。

A: それにしてもこの1年、いろんな「炎上」があったよね。

D: 印象的なのが、カリスマブロガー坊農さやかさんのブログが炎上したこと。「ああ、ブログって信用できないんだ!」って思った人は多かったはず。てっきり自分自身の視点で書かれているものだと思っていたら、実は企業のヒモ付きだった(ブログで紹介した商品やサービスに対して、企業から便宜供与を受けていた)、と。

ブロガーは真実をありのままに伝える、という思い入れ

B: ネット社会では、「ブロガーはとんがっていて、あらゆるところから独立して情報発信をしている」という幻想とか信仰があるのかも知れないですよ。

A: 既存マスコミに対する不信感が背景にあるんじゃないかな。ネットでは、「マスゴミ」という言葉もあるし。我々を含めたメディアを信じていない。逆に、「ブロガーは、色々なものに影響されていない」という思い入れがあったのではないか。

C: その対立軸ですよね。マスコミは物事にフィルターをかけて伝えるが、ブロガーは真実をありのままに伝える、と。「清く・正しく・美しく」みたいな。信用されていたカリスマブロガーが企業の影響を受けていた、とあって、衝撃が広がった。

A: アメリカでは、カリスマブロガーは、もはや大手マスコミに近い。企業が特ダネをカリスマブロガーに流す、ということも行われているそうだ。ブロガーも、影響力が大きくなるとマスコミ同様の制約みたいなものを受けざるを得なくなる。いろいろバランスをとって、みたいな。ブロガーに期待しすぎ、というのはあると思う。

B: そのほか、話題になった事例としては、職業差別発言で炎上した池内ひろ美ブログがあるね。

D: 彼女の場合、やり口が姑息なんですよ。「期間工は『トヨタ』って漢字で書けるのか」という箇所が非難を浴びた訳ですけれども、一度記事を削除した後に「再掲載」したときも、問題になったその部分だけ、こっそり削除している。これが2ちゃんねらーの反感を呼んだ、ということはあるでしょうね。

A: J-CASTニュースのコメント欄にも「追加取材希望」って沢山書いてあるしね。どういう人なのか、ちょっと興味があるよね。

C: で、電話したら「スケジュールがいっぱいだ」って逃げられました。

B: ほかでは「日テレ女子大生キャスター飲酒告白事件」ですね。その他素人が巻き込まれた例としては、高校教師がミクシィで飲酒運転を告白して、それが地元紙に取り上げられた、というのもありました。

本音が言える小規模SNSが出てきそうだ

A: 炎上が「ミクシィ問題」になってきた部分も大きいよね。

B: そうですよ。本来はお互いに仲良くすべき場所が、人をたたき合う場所になってしまった。これは、大きな転換点ですよね。プライベートなことをブログなりに書くとき、「それが全世界から見られている」ということを意識していない人がほとんど。きわどいことを書くときは、例えばミクシィで言えば「友人まで公開」の設定にするなど、自衛策を講じないといけない。

A: ミクシィは仲間うちで温かいところ、という認識があったから、脇が甘くなったのかもしれない。簡単に言うと、「ネットは安全な世界ではない」、ということ。今後はどうなるんだろうね?

D: 「いくら下らないことを言っても許される」といった、閉鎖的な空間がたくさん出現することになるのでは。小規模SNS、と言っても良いかもしれない。

B: 多分、2分化されるんでしょうね。表向きのことしか言えない大規模SNSと、本音が言える小規模SNS。

A: そうすると、SNSは細分化していくしかない、ってことだよね。

C: 確かに、そういう動きはありますよね。「創価学会SNS」や「慶應SNS」とか。ただ、小規模SNSの場合、運営費をどこから捻出するかが問題になりそうですね。

A: ところで、「炎上記者」という名前も誕生したそうじゃないか(苦笑)。  

B: ウチの記者のことでしょう。J-CASTニュースがブログを炎上させているんじゃないか、という「J-CASTニュース放火魔説」もありますよね。放火まではしていないが、火に油を注いでいる、という面はありそう。

A: 報じたことが結果として、意図とは違う面で拡大していく。メディアは、みんなそういう性質を持っているものです。難しいね。 

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