2019年 11月 13日 (水)

資料「手で破れ」と命令され 5日間で腱鞘炎になる陰湿
――棗一郎弁護士インタビュー(下)

印刷
建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

いじめの被害者、今は全世代に広がる

――どういった世代の人がいじめの被害者になりやすいのでしょうか。若い人が多かったりするのでしょうか。

昔はリストラするために中年社員が被害に遭ったりもしたんでしょうけど、今は全世代がいじめの被害にあっています。最近は女性の方が多いくらいですね。我々のところに相談に来る人は正規雇用の人が多く、8割がたが正社員です。しかし、非正規の人たちは、賃金が低い、会社に逆らえないし、派遣期間を超えるとあとは終り、有期雇用の場合は「雇い止め」だと言われるので、弁護士に相談して表立って会社と交渉しようなんて考えられないんです。日本の雇用社会では正社員を筆頭に階級ができていて、その底辺の人、「非正規」がいじめられるのが当然になっているのではないか。そういう人たちが一杯いるのだろうと推測できると思います。

――大企業でも「職場のいじめ」はあるんでしょうか。また、業績がいい企業でもそういったことがあるんですか。

どこも同じです。有名な都市銀行もあるし、生保もあるし、小さな会社でもある。成果主義によってリストラの圧力がいつもありますから、業績が悪いから、というわけでもありません。いまは、職場が排除の論理に変わってきている。相談のトップが職場のいじめというのは、どう考えてもこの状態は異常ですよ。

――景気が良くなってもこの状態では、今後も「職場のいじめ」は止まらないのでしょうか。

個々の相談や法的な手続きをとることも増えてきましたが、司法的な解決は限界があります。ですから、政策的・立法的な解決をしなきゃダメです。欧州では職場いじめを禁止する法律を作っている国もあるので、同じようにすればいいんです。要は、法律を作って職場のいじめを定義するとともに、それを禁止して、罰則を設ける。そういう簡単なものでもあればいいんですよ。あと、長時間労働、過労・うつ申請がこれほど増えているなかで、残業時間の上限を規制しますという条文を労働基準法に加えればいいんです。簡単なことなんですよ。

   ※30歳前後で月給10万 どうやって食べていくんですか――棗一郎弁護士インタビュー(上)


棗一郎(なつめいちろう)プロフィール
長崎県出身。中央大学法学部法律学科卒業。1997年弁護士登録。日本労働弁護団事務局次長、日本弁護士連合会労働法制委員会事務局長次長。

今すぐ無料会員に登録して、コメントを書き込もう!
姉妹サイト
    loading...
お知らせ

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中