2024年 3月 28日 (木)

橋下VS今枝の弁護士「対決」 ブログで激烈場外戦

   山口県光市の母子殺害事件を巡り、被告の弁護士らが、テレビで自らへの懲戒請求を煽ったとして橋下(はしもと)徹弁護士(大阪弁護士会所属)を訴えた異例の弁護士間訴訟。2007年9月27日に広島地裁であったその第1回口頭弁論は、予想通り全面対決の様相となった。が、そこに留まらず、ブログでの両者の応酬もヒートアップしている。

橋下弁護士不出廷の件などで論戦

懲戒請求呼びかけを巡って被告弁護士らと裁判になっている橋下徹弁護士
懲戒請求呼びかけを巡って被告弁護士らと裁判になっている橋下徹弁護士

   訴訟のきっかけは、タレント活動もしている橋下弁護士が、2007年5月23日放送のテレビ番組で、被告弁護士らの懲戒請求を呼びかけたことから。被告弁護士らが、差し戻し控訴審で「殺害後に強姦したのは『死者を復活させる儀式』」などと新主張をしたことを受けての請求呼びかけだった。これに対し、被告弁護団21人のうち今枝仁弁護士ら4人(いずれも広島弁護士会所属)が、橋下弁護士による呼びかけで懲戒請求が殺到して業務に支障が出たとして、1人当たり300万円の損害賠償を求めて提訴していた。

   9月27日の第1回口頭弁論には、橋下弁護士は出廷せず、事前に用意した答弁書を通じて「発言に違法性はない」と全面的に争う方針を示した。一方、今枝弁護士ら原告側は、法廷で「(被告の)言動は刑事弁護人の職責について誤解や偏見を助長し、職務を萎縮させる」などと陳述した。

   初めての弁論は淡々と終わったが、橋下・今枝両弁護士のブログはすでに盛り上がっている。裁判翌日の28日には、早速、橋下弁護士が「原告らの非常識さの露呈」などとブログで宣戦。今枝弁護士も自らのブログで「橋本弁護士批判論」を繰り広げた。

   論点はいくつかあるが、まずは橋下弁護士が出廷しなかった件。今枝弁護士は、「こういう社会的に重大な裁判は、東京のテレビ局に収録に行っている暇があるなら、出席すべきです」と指弾した。一方、橋下弁護士は「僕のテレビ番組への出演の仕事は、弁護士の仕事に劣らず、仕事として非常に重要です」「まだまだ弁護士様は偉いんだ症候群から脱し切れていない」と応酬した。

   また、裁判が、橋下弁護士の求めから、第2回口頭弁論以降は非公開の「電話会議」という形で進められることについて、今枝弁護士は、「『裁判の公開』は憲法上の要請であり、傍聴席への公開を通じて国民に裁判が公開され、裁判の民主的監視の担保が最低限なされているのです」と指摘。一方、橋下弁護士は、「世間の皆様への報告は、ネットや報道陣への取材対応で十分。それをわざわざ公開法廷にするために、仕事をキャンセルしてまで広島まで行ってられるかっていうの」と反論した。

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