2020年 5月 28日 (木)

枝川二郎の「マネーの虎」
米国中産階級の暮らし 日本よりぐんと豊かなのはなぜか

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   アメリカ北西部のシアトルに来ている。日本ではマリナーズのイチローで有名な街だが、経済ではマイクロソフト、ボーイング、アマゾン、スターバックス、コストコなど多くの企業を輩出したことでも知られる。アメリカが全国的に不景気にあえいでいるなかで、シアトルの状況は比較的良く、街にはまだまだ活気がある。

普通のサラリーマンが庭でバーベキュー、湖で自家用ボート

   こちらに来て強く感じることは、アメリカの中産階級の暮らしぶりが豊かなこと。日米でサラリーマンの収入にそれほど大きな差はないが、生活レベルではアメリカのほうがずっと豊かであり、それが人々の精神的な余裕にもつながっている。

   当地では年収数百万円の普通のサラリーマン家庭が広い家に住み、庭でバーベキューを楽しみ、休日には自家用ボートで湖に繰り出す、というのが普通の光景となっている。

   その違いが生まれる大きな原因は、資産運用の成果の違いによる。日本ではまともな資産運用というものは存在しない。1990年のバブル経済のピークから20年近く経ったが、いまだにバブル崩壊の重しがとれていない。株価はピークの数分の1のレベルにとどまっているし、不動産価格も長期的には下落傾向だ。つまり、今までに少しでも「積極的」な運用を心掛けた人の大半は損をしたというわけ。一方で、預金金利は限りなくゼロに近く、タンス預金と変わりないのだから、どちらにしても資産が減ることはあっても増えることはまずない、という状況だ。

   とくに住宅への投資が最も悲惨な状況だ。わが国の住宅は一般に安普請なので、新築で家を建ててもローンを返済し終えるころには建て直しが必要になる。家の金銭的価値はゼロになるということだ。これでは資産形成どころか資産消滅である。あるいは、住宅は「資産」ではなく「消費財」である、と言ってもよいだろう。政府も遅ればせながら200年間住める住宅を、などという掛け声は上げているが、築数十年の家に対しては銀行がまず融資をしてくれないし、「安普請でも新築を好む」という(海外では理解されない)見方が日本では相変わらず主流だから、現状は容易には変わらないだろう。

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