2024年 5月 1日 (水)

未だ開かれない党首討論 鳩山首相に「逃げるな」の声

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   鳩山由紀夫首相が就任してから2か月が経過しようとしているが、未だに党首討論が実現していない。予定されていた2009年11月18日の開催も見送られた。自民党が要求している25日の開催も未定で、鳩山首相は政治資金問題の追及から「逃げている」といった声が上がっている。

   自民、公明両党は当初11月18日に党首討論を開くことを要求。民主党も、18日実施で調整を進めていたが、13日になって平田健二参院国会対策委員長が「今国会に提出した12法案の成立のメドが立たない限り、党首討論をやることにはならない」と話し、見送りとなった。

全閣僚が出席しないとできない?

   また、党首討論には全閣僚の出席を原則とするという、与野党での申し合わせがある。18日には、人事官の認証式に閣僚が立ち会わなければならないという理由で、民主党は同日の開催はできないとした。

   党首討論は、2大政党の党首が国の方針について議論する場だ。民主党は国会審議について「政治家同士の議論の場として活性化させる」ためとして、官僚答弁禁止を主張。鳩山首相も所信表明演説で「真に国民のためになる議論を力の限り、この国会でぶつけ合っていこうではありませんか」と語っていた。野党時代には党首討論の開催を強く要求していたという経緯もある。一体どうしてしまったのか。

自民は「献金問題隠し」と批判

   朝日新聞は19日付けの社説で「情けない首相の逃げ腰」と見出しを打った。一部閣僚が出席できないので開催を見送るという民主党の言い分に対し「拒む理由としては納得しがたい。党首同士がやりあうのに、なぜ全閣僚の出席が必要なのか」と噛みついている。また、民主党は法案処理が優先ともしているが、「そんな解説は理由にならない。討論はわずか45分間という慣行なのだから」。「自らの政治資金疑惑や政府内の足並みの乱れを突かれたくないからではないか」と手厳しい。毎日新聞も19日付けの社説で「党首討論 まだ一度も開かぬとは」、産経新聞も18日付け社説で「党首討論 見送りは国会改革が泣く」と同様の旨を書いている。

   鳩山首相に関しては、未だ全貌が見えない「故人」献金問題のほか、11月初旬には08年に株式取得で得た所得約7000万円を税務申告していなかったことも明らかになるなど、政治資金問題が山積みだ。その後も02年から08年までの資産報告書で記載漏れが発覚し、09年11月10日には総額5億円にもなる訂正を行っている。11日に「恵まれた家庭に育ったもんですから、自分自身の資産管理が極めてずさんだったことを申し訳なく思う」と陳謝しているが、説明は明らかに不十分だ。

   一方、17日の衆院本会議で自民党の竹本直一議員が、「18日の党首討論が取りやめになったのも、『献金問題隠し』があるのではないか」と主張。野党側も党首討論が開かれないのは、鳩山首相が政治資金問題の追究を逃れたいからと見ている。

   党首討論は国会会期中の水曜日に開催されると決まっており、30日までの今期国会で残りのチャンスは25日しかない。自民、公明両党も25日の開催を求めているが、開催されなかった場合は翌10年の通常国会に持ち越しとなる。

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