2024年 3月 29日 (金)

サッポロのポッカ買収 「弱小連合」の先行き

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   サッポロホールディングスは2011年2月10日、飲料大手のポッカコーポレーションを買収すると発表した。国内ビール類市場が頭打ちとなるなか、比較的収益力のある飲料事業を強化するとともに、ポッカの海外の販路も活用することで、新たな成長の出発点としたい考えだ。ただ、今回の買収は「弱者連合」でもあり、さらなる再編は不可避との見方が強い。

   「ポッカとの統合で成長のステージを引き上げたい。総合食品グループに進化する足がかりとなる」。サッポロの村上隆男社長は会見でこう強調した。

サッポロの再成長に欠かせない資源がポッカ

   ポッカはシンガポールで茶系飲料のシェア7割を誇るなど、東南アジアを中心に約60カ国に進出する海外販売網が強み。国内でも飲料のシェアは1.7%(10位)と高くはないが、量販店の競争にさらされない約9万台の自動販売機というインフラが魅力だ。

   サッポロの自販機は3万台程度なので計12万台と一気に4倍に増える。ビール大手3社が自販機を20万~40万台持つことに比べればまだ規模は小さいが、少なくとも競争のスタート地点には立てる。

   また、ポッカはブランドの浸透した缶コーヒーだけでなく、国内家庭用市場でシェアトップのレモン果汁、シェア2位のスープ事業など独特の持ち味がある。「酒類、飲料・食品、不動産が今後の経営の3本柱になる」(村上社長)というサッポロの再成長に欠かせない資源がポッカにはあるわけだ。

   サッポロは連結売上高の8割をビールなど酒類事業が占め、飲料は9%程度にとどまる。国内のビール系飲料市場は2010年まで6年連続で過去最低と縮小傾向にあるが、その縮小市場でサッポロはサントリーに抜かれ、4位が定位置となっており、飲料などの多角化が急務なだけに、ポッカ買収の意味は小さくない。

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