大人気ゲームでアニメ化もされた「THEIDOLM@STER」(アイドルマスター)だが、パチスロ機になり2012年7月に全国のパチンコホールに登場する。ところが、家庭用ゲームに匹敵するほどの内容の濃さ、という触れ込みもあってファンたちの期待が膨らみ、一般販売はしていないはずのこのパチスロ機が、価格47万円で販売予約が始まった。アイドルを育成し、芸能界で活躍させていく育成ゲーム「アイドルマスター(アイマス)」は、プレイヤーがアイドルを育成し、芸能界で活躍させていく育成シミュレーションゲーム。2005年にアーケードゲームとして登場し、07年に「Xbox360」用ソフトに移植され大ヒットした。アイドルを目指すキャラは13人いて、それぞれに根強いファンが付いている。ゲームソフトが大ヒットしただけでなく、キャラクターが歌う(キャラソン)CDや、関連グッズがバカ売れして一大ブームを巻き起こした。そんな「アイマス」が2012年7月にパチスロ機となり、全国のホールに設置される。パチスロ機といえば、3つのドラムが回り数字や絵が揃えば当りというイメージだが、近年は大きめのモニターが付いていて、キャラクターがCGやアニメーションで登場し「当たり」にあわせ様々なドラマを演じたりする。今回の「アイマス」は家庭用ゲームに匹敵するほどの内容の濃さになっていて、パチスロ機のレバーやボタンを使いキャラに歌やダンスのレッスンをさせ、プロのステージに送り込む。「当たり」が出ると煌びやかなステージで熱唱する。キャラが身に付ける洋服やアクセサリーを変更するのも可能で、バリエーションは約5000億通りもあるという。本当にこれだけ凝った作りになっているとすれば、ゲームを完全に攻略し、見たいシーン全てを掘り起こすのは容易ではない。そうしたなか、12年5月22日に中古パチスロ機販売業者が出したツイッターに、ファンが騒然となった。「7月2日に発送出来るアイドルマスターの予約販売を行っております。締め切りは5月24日の予定ですが早まるかも知れません。価格は基本セットで472500円になります」完売したのか24日に予約を打ち切り業者への販売価格は明らかにされていないが、30万円台という話もあり、明らかにこれを上回る。ネットでは、「ファンなら買うべきだろw」「延々と金突っ込むよりは実機買ったほうがいいはず」などと騒ぎになった。この業者は何台用意したのかわからないが、おそらく完売したと思われ、24日21時に予約を打ち切っている。疑問なのは、パチスロ機の新作を一般ユーザーが買えるのかどうかだ。今回の「アイマス」を開発・販売しているサミーに聞いてみたところ、パチスロ機はホール用に作られパチンコ会社に販売するものだから、一般ユーザーへの販売は行っていない、ということだった。大阪にある中古パチスロ機販売業者に話を聞くと、「アイマス」などの新作が発売された直後に一般ユーザーの手元に届けるのは可能だと打ち明ける。メーカーは一般売りしないが、パチンコ店がパチスロ機をまとめて仕入れるため、ホールに設置されない「余り」が出てしまうことがあると言う。それを中古販売業者が「中古」として買い取り、一般ユーザーに転売する仕組みだそうだ。「新作の『中古』が出るかわかりませんから、まず我々は一般ユーザーからの注文を受け付けます。そしてホールと買い取り価格の交渉をします。新作はプレミア価格になり、ユーザーさんはメーカーの販売価格より割高で買っていただくのが一般的です」と説明した。時間が経つにつれ中古価格は下がり、中には十分の一以下になるものも出るという。
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