2019年 12月 16日 (月)

「日中偶発軍事衝突」は起こるのか(4)
「中国尖閣侵攻」でも米軍は即出動するわけではない 議会が承認しない場合は見送りの可能性強い
早大客員教授・春名幹男氏に聞く

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   「尖閣諸島は日米安全保障条約の適用対象になる」。2014年4月24日、オバマ米大統領は安倍晋三首相との会談でこう表明した。米大統領としては初の「明言」だとして、国内主要メディアは大きく報じた。

   だが、仮に中国が尖閣諸島を攻撃したら米軍が出動するのなら、なぜオバマ大統領は「尖閣有事の際には米軍が日本を守る」と断言しないのか。安全保障や日米関係が専門の春名幹男さんが、安保条約に書かれた「真意」を読み解く。

グレーゾーンの場合は安保適用外ということはあり得る

「米軍は本当に出動するのか」との疑問に答える春名氏
「米軍は本当に出動するのか」との疑問に答える春名氏

――日中関係が冷え込んだまま一向に改善の兆しがありません。このまま事態打開が進まなければ、中国軍が尖閣諸島を攻撃してくる恐れはあるでしょうか。

春名 現状を考えると、確率は低いのではないでしょうか。まず島の形状から隠れる場所が見つからず、長期的に占領するのが難しい。こうしたことから、戦略的に意味がない島だと指摘する専門家もいます。
   ただし、こんなシナリオは十分考えられます。例えば漁民に偽装した中国の特殊部隊が尖閣に上陸する。これに対処するのは海上保安庁と沖縄県警察になりますが、具体的な対応方針は日本政府の中で明確にまとまっていません。いわゆる「グレーゾーン」の問題です。
   安保条約第5条には、日本の施政下における領域が「武力攻撃」を受けた場合「共通の危険に対処する」と定めています。この場合「武力攻撃」の解釈は、組織的な軍隊による攻撃とされており、偽装した漁民による上陸は含まれない可能性があります。オバマ大統領はわざわざ「第5条」に言及していますから、グレーゾーンの場合は適用外ということはあり得るでしょう。確かに米大統領が、「尖閣が安保条約の適用範囲」と発言したのは一歩前進かもしれませんが、これだけではグレーゾーン問題が解決しておらず、日本側にとっては物足りなかったと言わざるをえません。
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