2019年 9月 22日 (日)

「日中偶発軍事衝突」は起こるのか(4)
「中国尖閣侵攻」でも米軍は即出動するわけではない 議会が承認しない場合は見送りの可能性強い
早大客員教授・春名幹男氏に聞く

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議会承認の見通しが立たずシリア派兵を見送り

――中国軍による尖閣への「武力攻撃」であれば安保条約が適用されるようですが、条文には「自国の憲法上の規定及び手続きに従って」とも書かれています。米国憲法の規定や手続きによっては、米軍が出動しない可能性もありますか。

春名 あり得ます。米国の「戦争権限法」では、武力行使については議会の承認を得なければならないと定められています。例えばイラク戦争の前には議会が武力行使容認決議を可決しました。2008年の大統領選に出馬したヒラリー・クリントン氏はこの決議に賛成したことを批判され、自身は「後悔していない」と発言しましたが、批判されました。一方、2013年にオバマ大統領はシリアへの軍事介入を目指しましたが、議会承認の見通しが立たなかったこともあり、シリア攻撃を断念しています。
   安保条約第5条が「自動介入」の条文となっていない以上、米国内法を無視してでも必ず米軍が尖閣防衛のために出動するとは言い切れません。確かに一部では、米大統領は必ずしも議会承認を得なくてもいいという解釈もあります。しかし、尖閣を「ちっぽけな島」と考える米議員もいるなか、議会手続きを省いて反対を押し切ってでも軍事行動を決断するのは疑問です。半面、中国軍が白昼堂々と尖閣を占領するような事態となれば、看過できないとして介入するかもしれません。いずれにしろ米政府は非常に難しい判断を迫られることになり、国内外の情勢によっては軍の派遣見送りという選択肢も考えられます。
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