2024年 4月 17日 (水)

アニメはどこまでリアリティーを持てばいいのか 「艦これ」が史実と違う、弓の引き方が違うと大荒れに

「言い出したらまず艦艇が女に擬人化してること自体おかしい」

   軍事オタといった人たちにとって、いかにアニメであろうと「史実を忠実に再現して欲しい」という思いがある。だから今回のアニメには一言言いたいという人もいるようなのだ。アニメ「艦これ」第1話に関する考察を写真入りで大きくまとめている人もいて、例えば主人公の吹雪が敬礼をしているシーンでは、「無帽での挙手の敬礼は行わない」とか、傘を持っているけれど「軍人は軍服を着用している際傘を差さない」などと指摘。「艦娘」が海の上を移動しているシーンでも「各艦の距離が近すぎる」など。

   さらに、空母の赤城が弓を射るシーンがあるが、その様子が弓道から逸脱している、と報告する人も出て、これが大騒ぎになった。空母のキャラが弓を射ると、飛んだ弓は複数の戦闘機に姿を変え爆撃などで敵を攻撃する。赤城の弓の射かたについては、アニメの画像に赤い文字で「爪揃えができていない」「取り懸けの位置が高い」「中指が帽子に乗っていない」など10か所を痛烈に指摘し、これでは矢が飛んで行かないと解説した。しかし、今回の騒ぎを知った別の人は、赤城がやっているのは弓道ではなく「弓術」だ、と反論しあのシーンには特に問題は無いと主張している。

   「艦これ」アニメについて史実に忠実であるべきなのか、第二次世界大戦中の礼儀作法を再現すべきなのか、弓道に則って弓を引くべきなのかといった激しい論争が起きていて、現存していた軍艦の名前を出す以上は軍事オタが納得できるようなものにしなければならないし、弓道一つをとっても考証が欠如しているとすれば欠陥アニメだと指摘する人もいる。一方で、明らかに世界観はファンタジーなわけだから、細かい事を気にしていたらアニメ本来のダイナミズムが失われかねない、として、

「軍事ヲタクがいちいちファンタジーに絡んでくるな!」
「言い出したらまず艦艇が女に擬人化してること自体おかしいんだからキリないやん」
「教材アニメではないのですから、パッと見形になっていればいいと思うのだが」

などといった意見も出ている。

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