2019年 2月 24日 (日)

金融庁が地銀へ「アメ」と「ムチ」 保険「窓販手数料」めぐる駆け引き

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   変額年金保険など銀行の窓口で販売される貯蓄性の高い保険商品の手数料について、大手銀行5グループが来(2017)年初めにも公表する方針を打ち出した。手数料引き下げの引き金になると期待できるが、なぜ今、手数料公表なのか。背景には、金融庁の意向がある。はたしてその狙いとは?

   手数料の実態はどうなっているのか。今回、手数料の公開対象と目されるのは、運用成果や為替変動によって受取額が変わる「変額年金保険」や「外貨建て保険」だ。銀行や証券会社などの窓口で販売される「窓販」の商品。同じ保険でも、死亡時に遺族が受け取る生命保険や、入院時の費用などを補う医療保険と違って、富裕層が余裕資金の運用で利用することが多い貯蓄性の高い商品だ。21世紀に入って銀行窓口での販売が解禁され、取り扱い額は年々増えている。元本割れのリスクはある一方、低金利下で比較的高いリターンを得られる可能性もある金融商品として人気を集めている。

  • 手数料の公開対象と目されるのは、「窓販」の商品(画像はイメージ)
    手数料の公開対象と目されるのは、「窓販」の商品(画像はイメージ)

垣間見える「保険の高手数料ぶり」

   販売を委託された銀行には、保険会社が手数料を支払うが、その原資は契約者が支払う保険料。手数料は一般的に保険料の5~7%、高いものでは10%近い商品もあるとされる。銀行の窓口で販売されている投資信託は10年ほど前から手数料が開示されるようになり、現在は1~3%程度になっている。貯蓄性の高い保険商品は販売時の手数料に加え、一定の販売目標を達成した場合の報酬も存在するといい、単純比較はできないが、保険の高手数料ぶりが垣間見える。

   手数料公開を求める金融庁の理屈は、銀行が手数料稼ぎのため、必要のない高リスク保険商品を押しつけるようなことがあってはならない、ということだ。

   金融庁の意向を受け、生命保険協会の筒井義信会長(日本生命保険社長)が2016年4月の定例会見で「(手数料を)開示する方向で検討する」と表明。この時点では金融庁の目論見通り、10月に開示がスタートするとみられていた。

   ところが、この動きに地銀が反発。金融庁は5月下旬を想定していた開示のための監督指針改正案の公表をいったん凍結し、7月から幅広い手数料開示のあり方の議論を金融審議会で始め、仕切り直しになった。

   地銀の掲げる理由は、「公開対象が銀行や証券会社に限られ、保険代理店などが含まれない」という「不公平」批判。ただ、表向きの理由とは別に、2月の日銀によるマイナス金利政策導入による貸し出し金利低下、つまり「利ざや」の縮小があるというのが金融界の常識だ。地銀にとって、保険の窓販を新たな収益源と期待しているという事情があるわけだ。

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