「懐かしい」需要でどこまで戦える? アイワ、ビクター、シビック...

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   かつてラジカセやミニコンポで存在感を示したものの、デジタル化の波に乗り切れずに生産終了となった「aiwa(アイワ)」ブランドの製品が、9年ぶりに国内で復活する。アイワ製品になじみのある40代以上の男性が主なターゲットで、あわよくばその子ども世代に買い与えてもらうことも期待する。アイワ以外にもこのところ、ホンダの「シビック」や音響機器の「ビクター」など少し前に輝いた老舗ブランドの復活が相次いでいる。ただ、需要を掘り起こしたいメーカー側の思惑通りにいくかは見通せない。

   アイワ復活を手がけるのは、秋田県小坂町の「十和田オーディオ」。「EMS」(電子機器の受託生産)を担う企業だ。EMSはシャープを買収した台湾の「鴻海精密工業」が有名で、他社ブランドの製品を生産する「黒子」となるのが主な仕事だ。ただ、鴻海グループが今や自社グループとなったシャープ製品を生みだしているように、EMSメーカーには「自社の独自ブランドで勝負したい」との思いが芽生えるようだ。十和田オーディオもまさにそうした希望をかなえたいと動き、アイワ復活につながった。

  • 懐かしのaiwaブランド(写真はaiwa公式ホームページより)
    懐かしのaiwaブランド(写真はaiwa公式ホームページより)

アジアや中東での展開も検討

   1960年代後半に日本初のラジカセを発売したとされる、会社としてのアイワ。21世紀初頭に至り、海外勢との競争激化などで経営不振に陥った。2002年に資本提携先のソニーが買収し、アイワブランドのオーディオ機器の販売を続けたが、なかなか軌道に乗らず、2008年にアイワブランド製品は生産終了となった。十和田オーディオは2017年2月にソニーからアイワの商標(ブランド使用権)を譲り受け、4月に東京都品川区に「アイワ株式会社」を設立。この「アイワ株式会社」が製品企画などを担い、受託生産を手がける中国の協力工場に生産を委託する。順調に売れれば、十和田オーディオの自社工場での生産も検討する。2021年3月期に国内売上高100億円を目指すという。

   17年9月以降、アイワブランドでCDラジカセや携帯音楽プレイヤーのほか、4Kテレビなどを全国の家電量販店などで販売する予定だ。主に1990年代に使われたアイワのロゴマークをそのまま復活させて製品にあしらい、かつてアイワ製品に親しんだ人たちにアピールしたい考えだ。当面は国内での販売だが、将来的にはかつてのアイワが人気を誇っていたアジアや中東での展開も検討している。

   アイワと言えばかつて、本格的な有名メーカーの製品に手が届かない人でも買える手頃な価格が魅力でもあった。今回、CDラジカセの参考価格は5980円(税別)とその頃を彷彿とさせる設定。4Kテレビも最上位の55型で13万8000円(同)と割安感を訴える。ただし多少安いとはいえ、よく探せばもっと安い製品は他にありそうな価格設定でもある。

プラス・アルファの魅力

   一方、JVCケンウッドは「ビクター」ブランドを復活させた。旧日本ビクターとケンウッドが2008年に経営統合した後は、「JVC」「ケンウッド」に統一していた。ビクター創立90周年にあたる2017年を迎え、改めて第三のブランドとして展開を始める。第1弾として6~7月に特殊なオーディオセットの新製品2種類の予約の受け付けを開始。アンプなどハイエンドな周辺機器をパッケージ化し、ヘッドホンで臨場感を楽しめるもので、30万円(税込み)と90万円(同)とかなり高価だが、ブランド復活にあたっての気合いを感じさせる。

   ホンダのシビックは北米などで今も売られているが、国内では2011年に販売終了。ハイブリッド車とミニバンが主流の国内市場では今や普通のセダン車が売りにくいためだが、「走り」を楽しみたい人向けに改良し今夏、6年ぶりに復活する。

   いずれもかつての栄光を知る世代には懐かしい商品には違いない。ただ、若い世代にも訴求しないと持続は難しい。懐かしさに何かもう一つプラス・アルファの魅力を加えることが再成長のカギになりそうだ。

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