2024年 3月 19日 (火)

京産大の提案書→21頁、加計側→2頁 なぜ加計側に軍配が上がったのか

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   加計学園の獣医学部新設を巡る疑惑についての閉会中審査が24、25の両日、衆参両院で開かれることが決まった。ようやく安倍晋三首相の出席を得ての開催となったわけだが、新しい証拠が出てこない限り真相解明にはつながらないだろう。

  • 前川・前文科事務次官が国会で和泉・首相補佐官と対決すべき(写真は衆院インターネット中継より)
    前川・前文科事務次官が国会で和泉・首相補佐官と対決すべき(写真は衆院インターネット中継より)
  • 前川・前文科事務次官が国会で和泉・首相補佐官と対決すべき(写真は衆院インターネット中継より)

注目は前川前次官と和泉補佐官の対決のみか

   野党が拠り所としている一連の文部科学省の内部文書は、いわば二次情報だ。「総理の意向」「官邸の最高レベルが言っている」などと書かれてはいるが、直接、指示を受けた本人が作成した文書ではない。いわば、「又聞き」という二次情報。何度も同じような表現が出てくることを考えると、官邸の意向があった蓋然性はあるものの、文書に登場する官邸幹部が認めない限り「総理の指示」があったと断ずることはできない。見方によっては、加計学園の理事長が首相の親しい友人であることを慮った周囲の忖度とも受け取れる。あるいは、獣医学部を国家戦略特区の目玉にするために首相が早期実現を図ろうとしための指示とも推測できる。

   調査報道の経験のある記者ならわかることだが、二次情報だけでは、いかようにも逃げられる。案の定、前回の閉会中審査では、関係者にことごとく「言っていない」「記憶がない」と強弁され、それ以上の追及はむなしく空回りをしていた。

   次回の閉会中審査で、安倍首相は当然、「私は一切の指示をしていない」と答弁するに違いない。そのうえで国家戦略特区によって岩盤規制に穴を空けたことや獣医師会の圧力に配慮したことを強調し「加計ありき」ではなかったことを説くだろう。

   事実解明の糸口が見出される可能性があるとすれば、前川喜平・前文科省次官と和泉洋人・首相補佐官との直接対決だ。前川氏は、和泉補佐官に呼び出されて「総理は言えないから、私が言う」と早期の対応を迫られたと証言している。これは直接の会話の主の証言だから、見解が異なったとしてもどちらかが嘘を言っていることになる。いずれにしても、和泉補佐官が「首相から指示を受けた」などと証言するわけもなく、中途半端な質疑に終始することは目に見えている。

   「言った」「言わない」の疑惑解明は、一度、こじれてしまうと真相は闇に埋もれてしまうのが常だ。

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