2024年 4月 19日 (金)

「シンクロ」、「アーティスティック」に名称変更へ 元日本代表は「なんか悲しい」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   国際水泳連盟は2017年7月22日、ハンガリー・ブダペストで総会を開き、シンクロナイズド・スイミングの名称を「アーティスティックスイミング」に変更することを決めた。「同調性」を意味する「シンクロナイズド」の語が、ソロや混合種目ではそぐわないと判断したためだ。

   変更時期は未定だが、日本では「シンクロ」の名で親しまれてきただけに、元日本代表選手をはじめ、不満げな声も相次いでいる。

  • シンクロナイズド・スイミングが「アーティスティックスイミング」に(画像はイメージ)
    シンクロナイズド・スイミングが「アーティスティックスイミング」に(画像はイメージ)
  • シンクロナイズド・スイミングが「アーティスティックスイミング」に(画像はイメージ)

「同調性あっての芸術性」

   音楽に合わせて水中で様々な動きを行い、技の完成度や同調性、技術、表現力などを競うシンクロナイズド・スイミング。1984年のロサンゼルス五輪から正式種目として採用されている。

   審査基準はいくつか分かれるが、種目の名前にもある「シンクロナイズド」は重要な要素。日本水泳連盟が公開する競技規則でも、

「水上、水面、水面下における、泳者同士および泳者と音楽とが調和する動きの正確さ。泳者同士および泳者と音楽とのタイミングの同時性」

が評価の対象になるとされている。

   そんなシンクロの醍醐味でもある「シンクロナイズド」の語が、種目名から姿を消すことに拒否感を示す声は少なくない。ツイッター上にも、

「シンクロ競技は同調性あっての芸術性だと思います」
「バラバラでもキレイに見れたらいいみたいな競技になってしまったら、悲しい」
「動きが同調しているところが一番の魅力ではないの?」

といった意見が散見される。

   08年の北京五輪にシンクロ日本代表として出場した青木愛さんも、

「確かに芸術性も求められるけど、同調性が必要な競技やのに。 なんで今更変えるんやろう? 全然浸透しなそう なんか悲しい」

とツイートし、名称変更に違和感を隠さない。

「ソロ」なのになぜ「シンクロ」?

   その一方で、今回の名称変更に一部理解を示す声もある。

「シンクロのソロって何だよ、とずっと思ってた」
「シンクロの名称変更、ソロだけ変えればいいのに」

など、ソロが「なぜ」「何と」シンクロしているのかピンと来ていない人たちだ。

   こうした疑問に対し、青木さんはこう答えている。

「ソロってひとりで泳ぐのに、なんでシンクロっていうんやろう?って思ってた人もいるみたいやけど、シンクロって『人と人の同調性』だけじゃなくて、『人と音楽の同調性』も採点項目の中に入ってるんです。 だからソロもれっきとしたシンクロ」

   広く親しまれてきただけに名称変更を惜しむ声もあるが、国際水連の公式サイトによると、1891年にベルリンで初めての大会が開かれた頃、シンクロは「アーティスティックスイミング」や「水中のバレエ」と呼ばれていたという。今回決まった新名称は原点回帰と言えるのかもしれない。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中