2020年 2月 21日 (金)

『日報隠蔽』の著者に聞く(下) 南スーダンPKO、自衛隊はなぜ危険な現地に踏みとどまったのか

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政府軍が自衛隊の基地を襲撃するかも、という情報

布施 この本を校了した後に手に入った文書があります。戦闘があった時の活動全体をまとめ、総括した文書です。その中に、16年7月の戦闘の時に、UNMISS(国際連合南スーダン派遣団)の司令部から自衛隊に対して、南スーダン政府軍が自衛隊の基地を襲撃するかもしれない、という警戒情報が寄せられたとあるんです。
 自衛隊の宿営地の周りに、政府と対立するマシャール派の難民が集まっており、それを狙って政府軍が襲撃してくるかもしれないという情報が寄せられた、と。
 そういうことが、当時ちゃんと、戦闘がいったん収束して、新任務を付与するかどうかの議論が国会で始まるときに出ていたら、大変な問題になっているはずです。だって政府軍と自衛隊が戦闘になることは絶対ありません、と言って、それを条件に自衛隊を出しているわけですから。
 でも現実は、そういう重要な情報が入っていながら、全部伏せられてしまい、後からこうでしたってわかるというのは、非常におかしい。これは隊員の方たちの命が関わっている、そういう事案であり、政策決定なので、大きな問題だと思います。森友問題ももちろん大きいですよ、でもPKOは本当に隊員の方の命が関わっている政策決定です。そこで本来開示されるべき情報が違法に隠されて、政権が実績作りのために行ったとするならば、これはもう本当に稲田さんの辞任で済む話では本来ないと思います。
三浦 そのとおりですね。イギリスの場合は、イラク戦争に対しても外部の検証委員会のようなものを作ってしっかりと検証を行った。ああいうのを見ると、民主主義がきちんと機能してるなあって思いますね。あれは決して当時の政権の粗探しをしているわけではなくて、その検証を受けて、次の未来の選択に生かしていきましょうと。正直うらやましいですね。まさしく日本が国際貢献をするんだという時に、全部情報は隠蔽されて、当時の資料は残っていません、ということになっちゃうと、何を元に判断すればいいのか、僕らはまったくわからない。貴重な経験が全然生きない。
 検証というのは、過去から学ぶことで民主主義を強くし、結果的に国を強くすることなのだと思うんだけど、結局、日本は検証も反省もしないので、いつまでたっても強くなれない。旧陸軍、旧海軍が敗戦の時に全部書類を燃やしちゃった。戦争の反省と検証を戦後にしてこなかったっていうのが、僕らの世代にツケとして回ってきていて、本当に困ってしまっているんです。
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