2020年 11月 26日 (木)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
過去最大発行でも「国債暴落」起きない理由

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   この4月から始まった新年度だが、早速補正予算になった。新型コロナ対策である。こうなることは3月にわかっていたので、筆者は3月中に今年度予算の「修正」を主張したが、財務省の抵抗でできなかった。予算修正であれば、緊急経済対策をもっと早く打つことができたが、財務省はシャビー・小出しにしたかったのだろう。

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新規発行額と発行残高から考える

   もっとも、シャビー・小出しが世間の顰蹙を買い、所得制限つき1世帯当たり30万円現金給付が所得制限なし1人当たり10万円に差し替わった。その結果、追加の歳出は25.7兆円となった。この結果、当初予算と合わせた今年度の国債新規発行額は58.2兆円となった。これは過去最高額だ。さらに、国債残高は1000兆円を超える。

   そこで、マスコミから、財政が悪化し、国債暴落説まで出始めている。コロナショックがあり世紀末の感覚さえあるが、財務省のいいなりのマスコミはそれに便乗したもので、その通りにならないと筆者は思っている。その理由は次の通りだ。

   まず、国債新規発行額というフローの面からみよう。58兆円の新規国債がうまく消化できないと、国債金利が高くなり、国債価格は下がる。しかし、そうならないだろう。というのは、国債の買い手は、主に民間金融機関と日銀だ。日銀は、インフレ目標を守った上で年間80兆円ペースの購入を約束している。しかし、2016年9月から、実際の国債購入ペースをダウンしており、実績としては年間20兆円程度だ。つまり、現時点で購入余力として年間60兆円の余裕がある。これで58兆円の新規国債発行により、国債金利が上がることはまずない。しかも、民間金融機関も預金の流入増があり、新規国債の購入余力はまだある。

   次の国債発行残高というストックの面から見てみよう。これが国債の信用に影響を及ぼし、国債の信用が失われると、国債金利は暴騰し、国債価格は暴落する。そのメカニズムは、民間企業の株の動きと同じだ。民間企業の場合、財務状況はバランスシートでみれるが、これは国でも同じだ。

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