2020年 11月 25日 (水)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
共通通貨と、バラバラな財政政策... EU「コロナ復興基金」のアンバランスさ

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   EUでは17日(2020年7月)から首脳会議が行われ、欧州経済を立て直すための救済策として「復興基金」の設立について協議され、4日間の交渉を経て5日目の22日、ようやく合意した。

   基金の構想を提唱したフランスのマクロン大統領は「欧州にとって歴史的な日だ」と歓迎した。

  • 共通通貨「ユーロ」を旗印にしているが…
    共通通貨「ユーロ」を旗印にしているが…
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ドイツによる他国救済の側面も

   欧州は、新型コロナウイルス対策の経済支援で遅れていた。IMF(国際通貨基金)による国際比較で、「真水」に相当する財政出動・減税措置の対GDP比を調べたものがあるが、G20の中で、1位はアメリカ12.3%、2位は日本11.3%とこの2国が高く、EU諸国は4、5%程度と2国に比べて見劣りがしていた。

   今回、復興基金7500億ユーロ(92兆円)ができ、その中で真水は3900億ユーロ(48兆円)だ。これで、EU諸国はGDP比で2.5%程度の上乗せができ、7%程度となって、10%以上の日米との差を縮められる。

   もっとも、この真水の比率で、これを少なくしたい財政規律派のオランダなどの国と多くしたいコロナ危機国のイタリアなどとの間で意見調整に手間取ったのだ。

   復興基金の原資は、EU債である。これは共同債といわれ、債務をEU各国が負担するので、メルケル独首相は嫌っていたものだ。実際の負担は、EU中期予算の中で定められており、ドイツが無制限に債務負担をするわけではないが、それでもEU債務の負担を分担するのは、財政力のあるドイツにとって他国を救済することを意味している。

   もっとも、最適通貨圏理論によれば、このドイツのロジックも酷い。EU主要国は共通通貨ユーロであるが、この共通通貨でもっともメリットを受けるのがドイツである。

   共通通貨ユーロのレートは経済力の強く中進国のドイツにとっては割安になり有利だが、経済力がない周辺国にとって割高で不利だ。そのため、共通通貨のメリットくらいはドイツが周辺国を負担すべきだ。

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