2021年 6月 23日 (水)

文房具が宙を舞う! 「競技人口1人」のスポーツ「フリースタイルノートブック」が話題に

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   開催されるはずだった東京オリンピック・パラリンピックが延期となった2020年夏、とある「スポーツ」が話題を呼んでいる。

   手のひらでノートをアクロバティックに操る「フリースタイルノートブック」だ。ツイッター上では、自由自在にノートを操るプレイヤーの姿を取り上げた動画が1万リツイート以上拡散され、注目を浴びた。J-CASTニュースは競技の第一人者であり、「日本唯一の競技者」を自称する三浦靖雄さんに話を聞いた。

  • 三浦靖雄さんがプレイする「フリースタイルノートブック」(画像は三浦さんの動画より)
    三浦靖雄さんがプレイする「フリースタイルノートブック」(画像は三浦さんの動画より)
  • 三浦靖雄さんがプレイする「フリースタイルノートブック」(画像は三浦さんの動画より)

「僕に決定権がありますので、スポーツと言わせていただきます」

「スポーツなんですかね?」
「これはスポーツですね。競技人口は僕しかいませんので。僕に決定権がありますので、スポーツと言わせていただきます」

   既存芸術の枠を超えた「アウトサイダーアート」のキュレーター(学芸員)として活動する櫛野展正さんは、YouTubeチャンネル「クシノテラス」でオススメの「アウトサイダーアート」を紹介している。櫛野さんは20年8月17日に「フリースタイルノートブック」をプレイする三浦さんへのインタビュー動画を投稿した。前述したのは、動画中、櫛野さんが三浦さんに尋ねるシーンだ。

   三浦さんはインタビューで「フリースタイルノートブック」について「普通の文房具のノートを自由自在に操るというのを目標としたスポーツ」と説明している。インタビューでは、自然あふれる景色の中でノートを連続で裏表にひっくり返したり、背中に回したり、体の前で八の字に操ったりするプレイ動画も紹介されている。

   三浦さんはこれまで「誰に見せることなく一人で」やってきたため、周囲の反応はなかったという。ただ、プレイ動画をSNSなどで投稿するようになり「面白いねと言ってくれる人がこの1年間で初めてできるようになった」と語っている。

   櫛野さんはこのインタビュー動画を8月18日に自身のツイッターで紹介。すると、21日までに1万リツイート、3.4万いいねを記録するなど大きな話題を呼んだ。脳科学者の茂木健一郎さんは「おもしろいね!」と評価し、ほかのユーザーからも「世界1位の実力はやっぱ凄いですね」「最高にして最強、孤高の道を20年も歩み続ける求道者」など、競技を極めた三浦さんをたたえる声が聞かれている。

使うノートに「こだわり」

   J-CASTニュースは20年8月19日、三浦さんにメールを通じて取材した。普段は会社員として働く三浦さんは、現在35歳。競技人生は中学2年生のときに「当時テスト勉強に飽き、テストの合間にやってみたらハマった」ことをきっかけにスタートした。

   三浦さんは、長いあいだ「現役生活」を続けられている理由に「単純にやっていてめちゃくちゃ楽しい」ことを挙げた。競技の魅力については「場所を選ばず、ノートさえあれば競技を行える。そして、タイミングを合わせるために屈伸運動が続きますので、意外にかなりいい運動になります」と話し、「ノート」という身近な文房具があれば競技を楽しめる「ハードルの低さ」も特徴だとした。

   技は、ノートを上にトスし、空中で上からひっくり返す「天地返し」など8種類が存在。ただ、今回の動画が話題になったことで、ジャグリング、ペン回し、ピザ回しなど様々な界隈から「技」に関する意見が寄せられた。三浦さんはこうした意見に「インスピレーションを受けた」といい「何か新技を増やせればとは思っています。今はほぼ右手、縦回転技のみなので、横回転や肘、足、頭など使っていくのかもしれません」と展望を語った。

   一方で、三浦さんがこだわりを見せるのが、使用する「ノート」だ。

「ノートによって難易度には大きな差が出ます。現在私が使用しているノートはデルフォニックスというメーカーさんの『ロルバーン ノート』シリーズです。ノートを操るにはある程度、手との間に摩擦が必要なのですが、ロルバーンのこのタイプは表紙に光沢加工があり、グリップ力が非常にあります」

   三浦さんは競技を続ける中で様々なノートを試した末に、このノートに行き着いたといい「まるでフリースタイルノートブックを行うためにあるような、手に馴染むノートです」と評した。

動画話題で「思いがけぬ出会い」も

   ツイッター上で自身のプレイが話題になったことを受け、どんな反響があったのだろうか。 「大学時代の友人から『お前まだこれやってたんか』というリアクションや、10年以上特に連絡をとってはいなかった知人から連絡がありました。中学時代のクラスメートにも届いたとしたら幸いです」

   「唯一の競技者」を自称していた三浦さんだが、動画を目にした人との「思いがけぬ出会い」もあった。

「私とは全く別アプローチを実践していた、もう1人の『フリースタイラー』の方を発見することが出来ました。中学時代に編み出したノート技を動画に撮って上げてくれて、私以上にスタイリッシュで感動しました。その方との出会いで、技のアプローチもさらに深まっていくかもしれません」

   今回の動画をきっかけとした「競技人口増加」への期待について、三浦さんは「たった1人でやってきましたので、もちろん仲間が増えれば嬉しいです。私はむしろ手先が器用な方ではありませんので、素養がある方がやればもっとすごいことになるのではと思います。一気に私を技術的に置き去り、業界を牽引してくれる方がいればいいですね」と語る。

   また、三浦さんの存在を動画で世に知らしめた櫛野さんも、8月21日のJ-CASTニュースの取材に対し「(同じ文房具を使った競技としては)『ペン回し』も世間に認知されている。同じように普及し、競技人口が増える可能性もあるのでは」と期待を寄せた。

   三浦さんは、これから競技に取り組もうとしている人へのアドバイスを、こう語る。

「ネットを見ると『やってみたらノートがあらぬ方向に飛んでいき、近くにあったコーヒーがこぼれた』という方もいましたので、安全な場所でやって頂ければ幸いです。最初はいろんなところにノートが飛んでいきます。練習時には、ノートのめくり口をセロテープで留め、ノートが開かないようにしておくと、やりやすいです」

(J-CASTニュース編集部 佐藤庄之介)

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