2021年 6月 18日 (金)

岡田光世「トランプのアメリカ」で暮らす人たち
「メリー・クリスマス」は禁句になったのか

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宗教的な意味合いを失いつあるクリスマス

   ある世論調査によると、店で店員などからかけられる挨拶は、「メリー・クリスマスがいい」と答えた人は32%であるのに対し、「ハッピー・ホリデーズがいい」と回答した人は15%だった。共和党支持者に限ると、「メリー・クリスマス」が過半数に達し、「ハッピー・ホリデーズ」はわずか7%だった。

   「どちらでもよい」と答える人は、過半数を占めている。他の人がどちらの挨拶をしようが気にならない、と回答する人は8割に及ぶ。どちらであろうと、好意的な挨拶に目くじらを立てる人は、ほとんどいないということだ。

   それは米国でも、クリスマスが宗教的な意味合いを失いつあることと関係しているだろう。とくに若者やリベラル派では、宗教離れが目立つ。

   世論調査でも、「クリスマスを祝う」と答えた人は90%にも及ぶのに対し、「クリスマスの宗教色が薄れた」と過半数が答えている。

   「クリスマスに関する戦争」の背景には、クリスマスから宗教色が薄れ、キリスト教国家としてのアイデンティティが揺らいでいることへの危機感もある。

   相手がキリスト教徒であるとわかっている場合は、堂々と「メリー・クリスマス」と言えばいい。ユダヤ教徒であれば、「ハッピー・ハヌカ」が妥当だろう。自分の宗教の祝いを相手と分かち合いたいと願うなら、そうすればいい。相手の宗教がわからず、相手の信仰を尊重したいなら、「ハッピー・ホリデーズ」が適当だろう。

   何より大事なのは、言葉そのものより、そこに込める思いではないだろうか。

(随時掲載)

++ 岡田光世プロフィール
おかだ・みつよ 作家・エッセイスト
東京都出身。青山学院大卒、ニューヨーク大学大学院修士号取得。日本の大手新聞社のアメリカ現地紙記者を経て、日本と米国を行き来しながら、米国市民の日常と哀歓を描いている。米中西部で暮らした経験もある。文春文庫のエッセイ「ニューヨークの魔法」シリーズは2007年の第1弾から累計40万部。2019年5月9日刊行のシリーズ第9弾「ニューヨークの魔法は終わらない」で、シリーズが完結。著書はほかに「アメリカの家族」「ニューヨーク日本人教育事情」(ともに岩波新書)などがある。

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