2021年 6月 24日 (木)

素手のトイレ掃除を「花嫁修行」と紹介 WEB制作会社のインスタに批判...何のために?社長の真意を聞いた

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   「会社では毎朝、素手でトイレをガシガシ掃除しております」。東京都八王子市内のウェブ制作会社が、こんな説明文で公式インスタグラムに動画を投稿したところ、批判が相次いで動画が削除される騒ぎになっている。

   社員にやらせているとすれば、パワハラではないかとの声が多い。この会社の社長は、J-CASTニュースの取材に答え、強制しているわけではないとして、パワハラを否定した。

  • トイレの便器内を素手で掃除(アイキャンディ公式インスタの動画から。現在は削除)
    トイレの便器内を素手で掃除(アイキャンディ公式インスタの動画から。現在は削除)
  • トイレの便器内を素手で掃除(アイキャンディ公式インスタの動画から。現在は削除)

動画には、「花嫁修行」とのタイトルも

   「トイレには~それは~それはきれいな...」。動画では、お馴染みの「トイレの神様」のメロディが流れる中、女性が素手で手際よく便器の内側を掃除していく。

   この動画は、社員は女性だけというウェブ制作会社「アイキャンディ」のインスタで2021年4月中旬にアップされた。

   掃除する女性のそばには、別の女性がおり、その様子を見ながら、ノートに何かメモしていた。動画には、「花嫁修行」とのタイトルも付けられていた。

   この動画は、社員が素手でトイレ掃除をやっていると話題になり、コメント欄には、様々な意見が寄せられた。その後、批判も大きくなり、ツイッターやまとめサイトなどにも取り上げられて炎上状態になった。

   「凄いと思います」などと感心する向きもあったが、「社員が納得してやっているのか」「素手はいかんでしょ」「せめてコロナ禍では中止して」といった厳しい声の方が多い。その後、動画は削除された。

   実は、素手でトイレを掃除するというのは、元々はこの会社の方針だった。

   同社の福森加苗社長が、会社概要の「ごあいさつ」で明確にしているからだ。

   そこでは、スタッフ教育に力を入れているとし、「トイレ掃除は素手で磨く!どんな汚い小さなことでも責任もって取り組む」とうたってある。また、「嫁を指導する姑のように、我ながら細かすぎる指導で弊社のスタッフは教育」されるとしており、これが花嫁修行という意味らしい。

「私だけが素手でトイレ掃除。社員は、けっこうブラシを使う」

   福森社長は、メディアにも度々露出しており、ビジネス誌などでも、素手のトイレ掃除の意義を強調していた。

   例えば、「月刊BOSS」2013年4月号では、デザインという美を売る職場は常に美しくしておきたいとして、毎朝20分の社内清掃を行い、「特にトイレ掃除は重要で、素手で掃除します」と説明した。トイレは、ペーパーなどの使い方まで指導するという。

   また、会社の特徴は女性らしさだとして、社員には常に女性らしくするように言っており、「スッピンもご法度です」とした。朝礼では大きな声で唱和したりするなど社員教育はかなり厳しいといい、「働いている社員は、いずれお嫁に行き、子供を産み、育てる。その時に困らないようにしておくことが、会社としての責任だ」とその理由を挙げていた。

   素手のトイレ掃除については、福森社長がこの会社に入ったときの体験が原点のようだ。

   他メディアの記事や本人の話によると、福森社長は、母親が掃除係の募集を紹介したことがきっかけで入社した。当時の社長が心を込めていないと注意し、素手でトイレ掃除をしたことに影響を受けたという。その後、デザインや経理の仕事をしながら、土日返上で営業も覚え、2007年に後任の社長に抜てきされた。福森社長は、その1年後に、目に楽しいおやつのようなデザインをするとしてアイキャンディに社名を変更している。前任の社長が今の夫だ。

   今回の騒ぎについて、福森社長は4月16日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。

「私だけが素手でトイレ掃除をしており、社員は、けっこうブラシを使っています。素手は強制していませんので、パワハラに当たるとは思っていません。社員に指導するときも、ブラシを使っています。ただ、コロナ禍の中で感染症対策を考えると、素手はよくなかったと思っています」

「何と言っても、きれいになります。早いですし、私の信念」

   実は、投稿した動画の中で、素手で掃除をしているのは、福森社長本人だという。掃除は、小さなスポンジを使ったとした。素手にしている理由については、「何と言っても、きれいになります。早いですし、私の信念でやっています」と説明した。

   福森社長の横でノートにメモをしているのは、新人の女性だそうだ。メモを取るように指示したわけではなく、仕事を覚えるため、どんなことでもメモするため、自分で書いていたという。

   掃除を業者に依頼せず、社員が交代で行っている理由については、こう話した。

「中小企業ですので、家の掃除のように、自分のいる環境を整えるのが目的です。自分たちが使うトイレですので、掃除の人は雇っていません」

   今後も、社員によるトイレ掃除は続けるとしている。

   公式サイトやメディアで素手のトイレ掃除を強調したことについては、「昔は、厳しかったかもしれません。鬼のような上司もいましたが、今は、社員の考え方を承認してあげたり、大事に思ったりしています」と釈明した。

   花嫁修行という考え方が女性差別につながらないかについては、次のように言う。

「私は、そのような考え方をしたことはなく、社員が『姑ができたら、喜ばれますね』と花嫁修行になると言ってくれたから、その表現を使いました。女性をとても大事に思っており、スッピン禁止とも特にしていません。お客様のために、身だしなみはきちっとしてほしいとは言っています」

   インスタの動画を削除した理由については、「社員が心を痛めていますので、社員に迷惑がかかるかもしれないと考えました」と話し、公式サイトなどで説明するかはまだ決めていないとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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