2024年 4月 18日 (木)

選挙の「マークシート式投票」なぜ普及しないのか 「自書式」やめられない3つの理由

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立候補者が多い時の投票用紙のサイズは...?

   当時の提案理由では、(1)有権者が投票用紙の中から投票しようとする候補者あるいは政党を見つけ出すことは容易でなく、かえって有権者に無用な混乱を与えるおそれがある(2)立候補の届け出の締め切り後に候補者名、政党名の入った投票用紙を調製しなければならない(3)記号式投票では一見してどの候補者、政党への投票かがわからないため、開票作業に時間がかかる、などと説明された。これとは別に、自民党議員が「有権者に名前を書いてもらう」ことを重視することも影響したとの指摘も根強い。

   上記の提案理由にもあるように、記号式の導入にはハードルがある。例えば、立候補者や政党の数が多かった場合、投票用紙を大きくする必要がありそうだ。ただ、投票用紙の交付、読み取り、カウントは機械で行っており、使える用紙のサイズは決まっている。そのため、投票用紙を大きくすると今の機械の利用が難しくなり、開票に時間がかかるようになる。機械で使えるサイズに収めるために字を小さくするのも、本末転倒だという指摘が出そうだ。これが上記の提案理由の(1)と(3)が絡む問題だ。

   (2)の問題も難しい。公示(告示)日の17時に立候補が締め切られ、候補者が確定しないと投票用紙を印刷できないが、翌朝には期日前投票が始まってしまう。きわめてタイトなスケジュールで印刷するか、期日前投票だけ自書式にするかの運用を迫られる。

   こういった事情のため、地方自治体で行われる「記号式」の投票は、候補者の数が比較的少ない首長選が中心。期日前投票や不在者投票は自書式だ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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