2024年 4月 20日 (土)

「日本独自の漫画文化を守るためにも」同人誌即売会コロナ3年目の行方 関係者が課題報告、都は支援策検討

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東京都が新たな支援策を明らかに

   同人関係者による現状報告が行われた後、多くのイベントの会場となる「東京ビッグサイト」を管轄する東京都産業労働局商工部の報告が行われた。商工部部長の緑川武博さんは「アニメ産業等の振興と言う観点からしっかりと取り組んでいかなければいけない問題だと認識している」として、東京都として下記のような支援策を検討していると明かした。

   まず、イベント当日に利用予定の入らなかった展示ホールを待機列として使用する場合の料金割引を検討しているという。

「これまで待機列を作る場合には画一的に利用ホールの全てを借りるように案内しておりましたが、コロナ禍の要請に基づいて発生する待機列に対して画一的な対応は改めようと考えております」

   具体的には、イベントで利用する展示ホールに隣接するホールが当日に空いていた場合、待機列を設ける場として割引価格で利用できるようにするという。使用面積に基づいた料金を設定するなどの新たな料金体系の検討を行っているとのことだ。

   続いて、東京ビッグサイトに用意された待機場について。駐車場として用いられることが多いため、駐車料金の設定しかなかった。しかしソーシャルディスタンスを求める中で、待機場を待機列の場として使う場合には、それに見合う格安の料金に改めたいと話した。

   さらに、東京ビッグサイト近隣の「有明西ふ頭公園」など、港湾部が所管する公園を待機列の場として使う場合について。イベント主催者ではなく、東京都産業労働局が港湾局と折衝し、警備対応が必要な場合には施設側で警備員を配置することを検討しているという。イベント主催者の手間が軽減される見込みだ。

   また支援策とは別に、有明体操競技場が今後、展示会利用できる施設になると明かした。オリンピックの競技場としての役目を終えた同競技場は22年4月から、東京都産業労働局の管轄となった。体操用の床や観客席を取り除いた後、貸し出しを行うという。広さは、オリンピック期間に仮設した青海展示棟の半分ほどの1万平米となる見込み。料金や予約の開始時期は未定だが、決まり次第告知するとした。

   東京都による支援策の発表は、イベント主催らにとって朗報となった。報告会後の取材に対し、コミックマーケットの市川共同代表は、有明西ふ頭公園を待機列利用するための導線警備を施設側が対応することや待機列用のホールの減額は、非常に大きな意味があると話す。コミティア代表の中村さんも、これらの支援の開始時期を気にかけていた。

(J-CASTニュース編集部 瀧川響子)

(追記:2022年5月21日12時50分)本文の一部記述を修正しました。

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