プロボクシングの前WBA・IBF世界スーパーバンタム級王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン、28)陣営が、2023年4月9日に行われた世界戦の採点に不満を示し即時再戦を要求した。米国のボクシング専門メディア「ボクシングシーン」が4月12日に報じた。井上尚弥の標的だったが...アフマダリエフは4月9日に米テキサス州で行われた世界戦に出場し、挑戦者マーロン・タパレス(フィリピン、31)に1-2の判定で敗れた。2人のジャッジが115-113の2ポイント差でタパレスを支持し、残る1人が118-110でアフマダリエフの勝利とした。共に強打を誇るサウスポー同士の一戦は序盤から接戦となった。一進一退の攻防が続く中、終盤にアフマダリエフが攻勢に出るが、わずかに及ばずプロ初黒星を喫した。一方のタパレスはバンタム級に続いて世界2階級制覇を達成した。アフマダリエフにとってこの試合は、元世界バンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋、29)とのビッグマッチに向けてのステップだった。スーパーバンタム級に転向した井上は今年7月25日に東京・有明アリーナでWBC・WBO世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(米国、28)に挑戦する。スーパーバンタム級でも4団体統一を目指す井上にとって対抗団体の王者は対戦候補となり、アフマダリエフが有力候補だった。「この採点は受け入れられない」アフマダリエフは「人生が終わったような気がする」と敗戦のショックを隠さず、マネージャーであるヴァディム・コルニロフ氏は採点に激怒しWBAとIBFにダイレクトリマッチを要求した。コルニロフ氏は「この採点は受け入れられない。アフマダリエフは人生をボクシングに捧げてきたんだ」と怒りをにじませ、「我々は即時の再戦が命じられるべきだと信じている」と主張した。同メディアによると、アフマダリエフと親交のあるWBA世界ライトヘビー級王者ドミトリー・ビボル(ロシア、32)は「率直に言ってこの採点は恥ずべきことであり、ボクシングというスポーツにとって非常に有害だ」とコメントしたという。アフマダリエフは16年リオデジャネイロ五輪に出場しバンタム級で銅メダルを獲得。18年にプロデビューし、20年1月にプロ8戦目にしてWBA・IBF世界スーパーバンタム級王座を獲得した。4度目の王座防衛に失敗し通算11勝(8KO)1敗とした。
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