開く機会が減った歓送迎会なので、若者としても積極的に参加したい
J‐CASTニュースBiz編集部は、調査をまとめたホットペッパーグルメ外食総研上席研究員の稲垣昌宏(いながき・まさひろ)さんに話を聞いた。
――そもそもですが、職場で行なう歓送迎会は増えているのでしょうか。
稲垣昌宏さん 弊社の調査は、職場以外の歓送迎会も含む数字なので正確にはわかりませんが、歓送迎会をする職場が増えているのかというと、減っているというのが現実でしょう。コロナ禍前の2019年に比べると、外食における歓送迎会の開催回数は、最新の2024年実績が6割台と推測されます。
これは、普通の飲酒機会数が2019年比で約8割であることから、通常の飲み会よりも回復が遅い状況です。理由としては、働き改革などの社会の変化で、会社の宴会自体が減少傾向であることや、そもそも若年層の人口減少が続いているため、新入社員全体の数が減り、歓迎会の機会自体が少なくなっている影響があると思います。
――なるほど。最近は飲み屋で行なうのでしょうか、それとも職場に料理を持ち寄って行なう方式が多いのでしょうか。
稲垣昌宏さん 2024年の歓送迎会の場所では、おおよそ6割弱が外食、会議室やオンライン開催など2割くらいとなっています。調査の歓送迎会は職場のもの以外も含む数値で、職場の歓送迎会だけでいうとちょっとわかりませんが、間違いなく飲食店で行うほうが多いとは思います。
――歓送迎会は20代男女を中心に参加意向が増加傾向にありますが、Z世代の若者は年上の世代に比べ、職場の飲み会への参加を敬遠する傾向が強いと言われます。真逆の印象を受けますが、その理由はズバリ何でしょうか。
稲垣昌宏さん 20代男女の参加意向はおっしゃるとおり強いわけですが、イコール20代の参加機会数が増えているわけではありません。歓送迎会が行われる総数が減少しているため、参加意向が強くても総参加機会数がプラスに転じているわけではないと考えられます。
ですから、開く機会が減っている歓送迎会なので、若年層としても積極的に参加したいと思う人がけっこういる、という状況なのでしょう。また、機会数が少ないため参加費がさほどかからず、経済的にも参加可能なこともあるかもしれません。